勧告(パラグラフ20a)は、次のように言います。
「子どもが、社会の競争的性質によって子ども期および発達を害されることなく子ども時代を享受できることを確保するための措置をとること」
勧告(パラグラフ20a)は、次のように言います。
「子どもが、社会の競争的性質によって子ども期および発達を害されることなく子ども時代を享受できることを確保するための措置をとること」
こうした今までにない、びっくりするほど手厳しい国連からの最新「勧告」からわかること。それは、日本が1994年に子どもの権利条約を批准して以降、日本の子ども状況は悪化の一途をたどってきたということです。
度重なる国連からの「勧告」を無視し、戦争や飢餓という“古典的”な子どもの権利侵害とはまったく異なる、“経済的に豊かな国だからこそ”の子どもの権利侵害が、ずっと続いてきたということです。
日本の教育の在り方が、「子どもの成長発達に甚大な被害をもたらしている競争主義的すぎる教育制度を改めよ」との勧告は、全国学力テスト以前にも国連からずっと出ていました。たとえば次のようなものです。
「成長発達の主要な三つの場である家庭、学校、施設のすべてで競争(管理)と暴力、プライバシーの侵害にさらされ、意見表明を奪われ、その結果、発達が歪められている(Developmental Disorder)」(1998年:第1回『最終所見』)
「教育制度の過度に競争的な性格が子どもの肉体的および精神的健康に否定的な影響を及ぼし、子どもが最大限可能なまでに発達することを妨げている」(2004年:第2回『最終所見』)
子どもの権利条約は、2019年11月で誕生30周年を迎えました。
さらには2019年2月には国連「子どもの権利委員会」(以下、国連)による第4・5回日本政府審査があり、翌3月には第4・5回国連『総括所見』(第3回までは日本政府が『最終所見』と訳していたものです)が出ています。
そんなホットな話題が多い子どもの権利条約なのですが、ちまたへの浸透度は誕生時よりも逆に薄れているような気がします。
ここのところ、講座等を企画してくださった方々に尋ねても、「そんなにタイムリーだったんですね。たまたま今回、企画しただけなんです」とのお返事でした。
はやいもので2019年も終わろうとしています。今年は、IFF相談室の閉室、別な場所での開業、そしてオフィシャルサイトの立ち上げとさまざまなことがありました。
その間、2月には敬愛する斎藤学医師の本を構成させていただき、12月には16年間連れ添った愛犬への思いと自らのペットロスの軌跡をたどった電子書籍も出版いたしました。
プライベートでは、新しい家族(ゴールデン・レトリーバー、現在4ヶ月)を10月末に迎えるなど、本当に慌ただしい年でした。
皆様にとっては2019年はいったいどんな年だったでしょうか。
「どうしてこのタイミングで、こんなことをするのか?」
「なぜそんなうかつにみすみすばれるような言動をとるのか?」
と思うことをする方にお目にかかります。
その内容は、自傷行為、窃盗、浮気、借金などさまざまです。
木附千晶:著
いつか必ずやってきてしまう、愛しいペットとの別れ。
ペットロスが大きなダメージとなるのは、自分がいなければ生きていかれない「わが子」のような存在、だれよりも自分を必要としてくれる「わが子」が自分を置いて先にいってしまうという事実をなかなか受け止められないからではないでしょうか。
ペットが自分より短命であることは、頭ではわかっていても信じたくないのです。
でも、心のどこかで「クスリを止めたい」とも思っていたのではないでしょうか。
長い間、本人の意志の弱さは倫理感の問題と誤解されてきたのです。でも、依存症は、空虚感に端を発する、れっきとした病です。その根っこには、寂しさや不安などがあり、それを手っ取り早く埋めてくれる“何か”で紛らわそうとすることから、始まります。
多くの人がたくさんの喪失体験をした東日本大震災後、被災地ではパチンコ依存が増加したという、いくつかの興味深い指摘があります。
(東日本大震災48被災地でパチンコ店満席・否認の病気
被災地のアルコール問題・嗜癖行動に関する研究)
2019年に入ってから、有名人が違法薬物使用で逮捕されるニュースが続いています。
ざっと振り返って見ても、ピエール瀧さん(3月)、「KAT―TUN」の元メンバー田口淳之介と元女優の小嶺麗奈さん(5月)、バンクーバー五輪日本代表でプロスノーボーダーの国母和宏さんと元タレントの田代まさしさん(11月)と、決して少ない人数ではありません。