島国根性(2)
自国の人口の16%にあたる約41万人のウクライナ人を受け入れたモルドバの面積は九州よりやや小さいくらいの、文字通り小国です。
欧州で最も経済的に厳しい国情であるうえ、個人で避難民を迎える家庭では費用がかさんでいるそうです(『東京新聞』(22年4月13日)。
欧州で最も経済的に厳しい国情であるうえ、個人で避難民を迎える家庭では費用がかさんでいるそうです(『東京新聞』(22年4月13日)。
こうした話を聞くと、世界的に見れば、まだまだ経済大国に入るはずの日本が、たった400人(4月19日時点では661人)程度の受け入れで胸を張っている場合なのでしょうか。
そのほかウクライナに隣接するポーランドには265万人、ルーマニア70万人、ハンガリー43万人、スロバキア32万人、ベラルーシ2万人、ロシア43万人が避難しているとか。人数ではポーランドが圧倒的に多いけれど、人口比だとモルドバが圧倒的に高い割合になるのだそう(同記事)。
日本の隣国で有事があったら?
もちろんモルドバと日本をそのまま比べることはできません。ウクライナとの関係がまったく違います。
地理的条件も違います。モルドバとウクライナは陸続きですから、もともと行き来が多あり、親族などがいる場合も多いでしょう。民族的な同一性や文化の同一性が高いということも言えるかもしれません。
韓国や中国で有事があったら?
では、もし日本のすぐ隣にある韓国や中国で有事があったら?
陸続きではなくても、韓国も中国も日本のお隣の国です。歴史を見てみてみても、船を使っての行き来がずっとありました。宗教や文化も、共有してきました。
そんな隣の国から人々が脱出しなければならない状況ができたら、日本は数十万単位の人々を難民として受け入れるのでしょうか。民族的にも近い隣国の人々を救うために、どの程度、必死になるでしょう。
はたして、日本の人口の10分の1以上もの人を迎え入れるだけの覚悟があるでしょうか。
「きっと、日本ではあり得ない」
・・・そんなふうに思ってしまうのは、私だけではないでしょう。とても残念なことですが、日本は外国人に対して「温かい国」とは言えません。