あの環境下にいたら、おそらく私も体罰を止めるのは難しかったのではないかと思います。
もし、私が教師だったとしたら、スポーツで学校の名を上げ、生徒の大学進学にも貢献し、校長からも一目置かれている顧問に「あなたのしていることはおかしい」と声を上げるのはかなりの勇気が必要でしょう。
一方、もし私が保護者だとしたらどうでしょう。
桜宮高校に子どもが入り、世間でも「強豪」で知られる部活を子どもが続けるからには、保護者としても一定の覚悟をしているはずです。その心の底には、「子どもに部活動で活躍して欲しい」という思いもあるでしょう。
「うまく行けば大学の推薦がもらえるかもしれない」「将来的にスポーツの世界で食べて行けるようになるかもしれない」などと、きっと考えたことでしょう。