松の内も過ぎた今頃になってのご挨拶で恐縮なのですが、新年明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
世の中は、「景気回復」、久々の「賃金引き上げ」と騒いでいますが、今年はいったいどんな年になるのでしょうか。
消費税アップ、社会保障費の負担増、進まない被災者の生活再建など、多くの課題があるなかで、少しだけでも明るいニュースも拾って行ける年になればと願っています。
松の内も過ぎた今頃になってのご挨拶で恐縮なのですが、新年明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
世の中は、「景気回復」、久々の「賃金引き上げ」と騒いでいますが、今年はいったいどんな年になるのでしょうか。
消費税アップ、社会保障費の負担増、進まない被災者の生活再建など、多くの課題があるなかで、少しだけでも明るいニュースも拾って行ける年になればと願っています。
なんだか、人間と同じではありませんか?
おとなや社会の都合に合わせて、“よい子”をつくる子育ては、一見、手っ取り早く、合理的で、理想の子どもができあがりそうな感じがします。
私たちおとなは、「いまの社会の規格に合わない部分は削り落とし、そぎ落としてしまえば、ちゃんと社会に適応したおとなになれるはず」・・・そんなふうに思いがちです。
でも、目の前に広がる子どもたちの現実を見ていると、どうも、そううまくはいかなさそうです。
今年も、いじめやスクールカースト、ネット依存などさまざまな子どもたちの問題をこのブログでは、書いてきました。
つい最近も、隙間やあそびの部分が無く、規格に合わせることだけをさせられた結果、社会に出て行こうことができないニートと呼ばれる若者が23年には60万人に達したという厚生労働省の発表もありました(若者雇用関連データ)。
こうした「声なきもの」、「うまく言葉を発することができないもの」の声に耳を澄ませ、相手の思いを形にすることで、見事なものをつくりあげるという思想や行いは、たくさんあります。
自然を征服するのではなく、自然と共に歩み、自然の知恵を活かし、自然をうまく利用することで、豊かさを享受してきた日本には数多く残されています。
禅の言葉に「啐啄同時」(そったくどうじ)というものがあるそうです。
卵の中のひな鳥が殻を破って外へ出ようとするとき、殻を内側からコツコツとつつくことを「啐」といい、それに呼応して親鳥が外から殻をコツコツとつつくことを「啄」といいます。
実はこの「啄」のタイミングは非常に微妙で、早くても、遅くても、ひなどりの命を危うくします。
だから、ひな鳥の「外に出たい」という願いが、ちゃんと親鳥に通じ、ひとつの生命が誕生する「機を得て両者相応じる得難い好機」のことを「啐啄同時」と呼ぶのだとか。
私がこの「啐啄」という言葉を知ったのは、愛媛県にある地酒屋さんがつくった「啐啄」という日本酒をいただいたことがきっかけでした。
どんな意味が想像も付かないネーミングだったので調べてみたところ、冒頭に書いたひな鳥と親鳥の話と分かったのです。
子どもたちは、いつでも周囲から浮かぬよう、けっして嫌われぬよう、その場、その場で“求められるキャラ”を演じることで、かろうじて友達関係を維持しています。本音も、本当の自分も出せないから、いつでも孤独で寂しいのです。
そんな子どもにとってネットは、つかのまの出会いや人とのつながり、暇つぶしの機会を与えてくる魔法のツール。それが今や片手に収まるサイズになったのですから、手放せなくなるのは当然です。
(続く…)
労働を搾取され、命を搾取され、叫びとも言える声を搾取された子どもたちは、いつでも虚しさや寂しさを抱えて生きています。
それを端的に表すのが、「中高生の約52万人がネット依存」と結論づけた厚生労働省の調査結果です。
その後、奇跡的に助かった子どもたちや、震災の日「いったい何があったのか」を勇気を持って語ってくれた子どもたちの声も、石巻市教育委員会によって踏みにじられました。子どもたちが語った重要な記録が破棄されてしまったのです。
さらには、命を落とした子どもたちの代弁者として真実を明らかにしようとするご遺族たちの調査も声も無視され、石巻市が依頼した検証委員会はこの10月20日の委員会で出した「とりまとめ案」に「『山へ逃げよう』という子どもの証言は精査中」として盛り込みませんでした。
まさに三重にも四重にわたる「子どもの声の搾取」です。
なにしろ長年、日本社会は“力による子ども支配”を「指導」や「しつけ」という名で許容、いや、積極的に肯定してきました。
そうして、「教師の言うことをよく聞く」「親の望むことをしてくれる」「おとな(社会)にとって育てやすい、社会にとって役立つ子」をつくってきました。
子どもを鋳型にはめるようなやり方は、ひとりひとりの子どもが本来持っている個性や能力が、その子らしい花となって開く機会を潰します。息苦しさに喘ぐ子どもの叫びを封印し、だれも分かってくれない寂しさに泣く子どもの声を奪います。
それでもがんばって反抗しようとする子どもは「非行少年」と呼ばれ、どうにかして「自分は辛いよ」とメッセージを発し続けた子どもは「発達障害」の枠組みにくくられ、無視されていきます。
事実、虐待の相談数も、摘発数も増えています。
全国の警察が昨年1年間に摘発した児童虐待事件は前年比22.9%増の472件、被害にあった子どもは前年比19.6%増の476人で、いずれも統計のある1999年以降、最多でした(『日経新聞』2013年7月14日)。
摘発された加害者353人の64%は「実の親」(実父143人、実母83人)で、死亡したケースに限ると加害者28人のうち実母が21人にも上っています。
今後も「労働の搾取」は、さらに進んでいくでしょう。
何しろ先日、安倍首相率いる現政府は、企業が従業員を解雇しやすい「特区」をつくる検討に入ったとの報道がありました(『朝日新聞』2013年9月20日)。
特区では、労働時間を規制せず、どれだけ休日に働いても、深夜まで残業しても賃金を派割らないことも認め、契約社員などが5年を超えて同じ職場で働いても無期契約で働くこともできなくし、ベンチャー企業や海外企業を呼び込むのだそうです。