この世論調査では、「子どもの犯罪被害の不安」が「ある」との回答はなんと74%! ものすごく高回答です。ところがその理由というのが、明らかな印象論でした。「テレビや新聞で、子どもが巻き込まれる事件が繰り返し報道されるから」が85.9%だったのです。
コロナ不安と報道(1)
それ以外にもたくさん大事なニュースはあるのに、うっかりすると見過ごしてしまうほど小さくしか報道されません。
個人的にもっと知りたかった事件のひとつが京都アニメーション放火殺人事件です。ちょうど去年の7月に事件があったので、コロナがなければ今年7月にはその後の状況や被疑者の人となりなどが大きく報道されていたのではないでしょうか。
同様のことが2017年7月に起きた相模原障害者施設殺傷事件についても言えます。気をつけて見ていないと、報道されたかどうか見落としてしまうほどでした。ご遺族の方が「忘れないで欲しい」と、事件の風化を訴えておられました。
新型コロナと「新しい生活様式」5
「分散登校・分散クラスで、前後左右にはだれも人がいないし、話しをするのもはばかれる雰囲気」
「マスクを取っていいのは体育のときだけ」
「先生(教卓)との距離をうんと離して授業している」
・・・そんな話を聞きました。
新型コロナと「新しい生活様式」4
春のマスクの買い占めに始まり、トイレットペーパーやソープ類など衛生用品が不足しました。スーパーには連日、人が殺到し、お米などいつもはあふれかえっていた食料品まで一時品薄状態となりました。
安倍首相が要請した「一斉休校」は、保育園や学習塾まで巻き込んで前代未聞の事態を招きました。子どもを預ける場所を無くした親は右往左往。受験を意識する年代の子どもと親は、不安にかられました。
非常事態宣言による大型店舗の休業や商店街の自粛営業なども重なって、街のなかは閑散とし、夜は明かりも無く静まりかえっていました。
新型コロナと「新しい生活様式」3
「ソーシャルディスタンスを取る」「人との接触、会話を減らす」「人と接近する場合は、マスクを着用する」・・・。
どれもこれも、関係性の中でしか生きられない、濃厚・濃密な接触がなければ心身の健康を保つことができない哺乳類に属する人間存在の根幹を揺さぶるような生活様式に聞こえます。
新型コロナと「新しい生活様式」2
支援については「少なすぎる」「遅すぎる」「申請に手間がかかりすぎる」「申請方法が分かりにくい」と酷評が続き、窓口の混乱も続いています。国民から見て「いったいどれが自分に使える支援なのかも分からない」との声も聞こえます。
不備が出にくい申請書が必要だった
安倍首相は、持続化給付金の支給が遅れている理由について、「(国民が作成する書類に)不備が多い」と、堂々と国会答弁しました。が、緊急事態対策と言うのなら、だれもが簡単に理解でき、手間が少なく、分かりやすい、不備が出にくい申請書を用意すべきだったのではないでしょうか。
持続化給付金については、「中堅・中小企業、小規模事業者、フリーランスを含む個人事業主に対して、事業継続を支え、再帰の糧としていただく」(政府)ためにつくったはずなのに、事業を受託した一般社団法人サービスデザイン推進協議会が、業務の大半を電通に再委託していたことがわかり、「トンネル団体をつくって電通やその子会社パソナなどが大企業が利益を分け合う実態がある」との批判もあります。
国民一人あたり10万円の特別定額給付金も、多くの人が手にできるのは7月から8月になりそうです。
何のための非常時代宣言?
北九州では第二波を警戒する声が聞かれ、「東京アラート」の基準のひとつ1日あたり20人を越える新しい感染者が見つかっていても、もう警戒する非常事態ではないようです。
いったい何のための非常事態宣言、何のための「東京アラート」だったのか。公務員を休ませ、PCR検査を滞らせ、「自粛」の名の下に経済活動を停滞させたあの騒ぎは一体何だったのでしょう。結局は、いたずらに不安を煽り、自営業や中小企業など、もともと苦しい生活を強いられていた人々を疲弊させただけです。
あまりにも謎すぎて、きちんと検査をしたら感染者が次々と発見されてしまい、東京五輪はますます遠のくから? それとも、アベノミクスの失敗を「コロナで経済活動ができなかったから」と見せかけたったから? などと、うがった見方もしたくなります。
新型コロナと「新しい生活様式」1
まるで仕事をするのも、人と会うのも、食事に行くのも「これ、やってもいいんですよね?」と、見えないだれかにおうかがいを立てているような雰囲気です。
緊急事態宣言中に耳にした最も嫌な言葉は「自粛警察」でした。この機に乗じて他者に自粛を強要する人々のことです。政府が、一定の基準で休業要請を行い、「不要不急の外出を控えろ」と繰り返すなかで、まるで正義の味方のように登場しました。
そして休業要請に従いながら開店している飲食店等に対して、嫌がらせを越えた脅し行為を行い、「警察を呼ぶぞ!」などと恫喝する・・・びっくりするような監視社会が、またたくまにできあがりました。
池袋の新しい相談室CAFIC(ケフィック)
まだまだ片付かないことがいっぱいですが、どうにか池袋で相談を開始いたしました。新相談室の名前はCAFIC(ケフィック)。Child Adult Family Ikebukuro Counselingの頭文字を取りました。
奇しくも、16年連れそった愛犬である、ゴールデン・レトリーバーのケフィを思わせるネーミングになりました。
「がれきに埋もれた子どもを救え!」・・・国連からの画期的勧告(4)
勧告(パラグラフ20a)は、次のように言います。
「子どもが、社会の競争的性質によって子ども期および発達を害されることなく子ども時代を享受できることを確保するための措置をとること」
「がれきに埋もれた子どもを救え!」・・・国連からの画期的勧告(3)
こうした今までにない、びっくりするほど手厳しい国連からの最新「勧告」からわかること。それは、日本が1994年に子どもの権利条約を批准して以降、日本の子ども状況は悪化の一途をたどってきたということです。
度重なる国連からの「勧告」を無視し、戦争や飢餓という“古典的”な子どもの権利侵害とはまったく異なる、“経済的に豊かな国だからこそ”の子どもの権利侵害が、ずっと続いてきたということです。