DV防止法に反対する人々と同じです。
「子どもや女性は、力ある存在(家庭であれば父親)に“従う”もの。間違っても自分の思いや願いなどを訴えるべきではない!」
ということなのでしょう。
そうした考えの人々にとって、大切なのは“家族という器”であって、その中身ではないのです。どんなにおかしな、ひとり一人を幸せにしない家族であっても、その器を守ることに意味があると思っているのでしょう。
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国連の機能さえ否定する発言も
外務省が子どもの権利条約撤廃を訴えるNGOに迫られて開催されたと思われる意見交換会(06年5月と7月)では、上述のような考え方に基づく意見がいくつも飛び交いました。
さらに、その意見交換会では次のような国連の機能さえ否定する発言も飛び出しました。
「金(国連の分担金)を出しているのに、なぜ自国の政策についていろいろ言われなければいけないのか」
「どうにかして政府報告書を握りつぶすことはできないのか」
「国連が報告書を提出にした国に対して出す勧告を見ると、かなり正確に日本の事情を理解している。なぜ、なぜこんなことになったのか」
国際人権理事会の理事国らしく
もし、こうした人たちに左右され、外務省のスタンスが揺らぎ、子どもの権利条約への取り組みが後退しているとしたら由々しきことです。
曲がりなりにも日本は、06年に成立した国際人権理事会(世界191カ国が加盟するあらゆる人権条約の実施状況を報告・審査する国連機関)で、「国内の人権がきちんと守られている」と承認された理事国を努める国です。
条約の撤廃を求める人々の顔色をうかがっているようでは理事国の名が泣きます。
真実を伝えるNGO報告書を
政府の不誠実な態度と不十分な報告書をいさめるためにも、日本の子どもたちの苦しさをきちんと国連に伝えるためにも、真実を伝えるNGO報告書をつくらなければいけません。
子どもの権利条約を推進するためのNGO「第3回子どもの権利条約 市民・NGO報告書をつくる会」では日本の子どもたちの状況や、気持ちがあってもかかわれない親の辛さ、子どもに目がいかないほど追い込まれているおとなたちの現状についての報告をしています。
箇条書き、メモ書き程度の報告でもかまいませんので、興味のある方はぜひアクセスしてください。