「子どもの貧困」の何が問題か(3/7)

2019年5月29日

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でも、ちょっと待ってください。

確かに、保険証がなくて病院に行けなかったり、高校生がアルバイトで生計を支えたり、学用品も買えず、家に食べ物がないような「貧困」生活は確かに問題です。
教育費がバカにならないほどかかる日本においては、経済格差は子どもの将来、いえ、何世代にもわたる格差の始まりになることも明らかです。
間違いなく子どもたちを不幸にすると言っていいでしょう。

では、単純にこうした子どもたちにお金を与えれば、それで問題は解決するのでしょうか?
お金がいっぱいあれば子どもは幸せに生きていけるのでしょうか?

経済的には恵まれていても・・・

けしてそんなことはないでしょう。

たとえば私が日々、IFFでお会いしているクライアントさんの中には経済的にはとても恵まれた家庭に生まれた方も多くいらっしゃいます。

食べる物にも、学費にも困ったことはなく、生活の心配などしたこともない。けれども、だれかに支えられている感覚を持てず、この世の中が安全とは思えず、「生まれてきてよかった!」とだれかに感謝することなどとてもできない方はけして少なくありません。

子どもの世界に目を転じてみても、同じことが言えます。

増える子どもの暴力

ちょっと話題は変わりますが、ここ数年、子ども、とくに小学生の暴力が増えたという話をよく耳にします。

実際、11月30日に文部科学省が発表した「2008年度問題行動調査」の結果によると、小中高生の暴力は過去最多だった昨年度をさらに13%も上回る数でした。
器物破損をのぞく暴力では、4件に1件が被害者にケガを負わせているということで、『読売新聞』(12月1日付)によると、無抵抗の教師を殴る蹴るなどする事件も起きているとのことです。

私が小学校の教師をしている方たちに聞いても、「感情のコントロールができない」、「ストレスを弱い者にぶつける」、「手加減しない」・・・そんな子どもたちの“特徴”がよく話題になります。

そして、少なくとも首都圏では、こうした“特徴”を持つ子どもの多くが、「比較的裕福な家庭の子どもで、成績が上位にいる子ども」だと、教師の方々は口をそろえるのです。(続く…

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