家族のかたち(3/6)
家族とは何か
そんな重いショート・ストーリーが続く中、漫画家の内田春菊さんが書き下ろしたラストの作品「フィリピンパプで幸せを」に、ホッとしました。
ケタ外れの金持ちで性同一性障害のフィリピン人女性(元男性)と日本人男性のラブ・コメディです。
男性は、初めて行ったフィリピン・パフで知り合った女性と一夜を共にします。ところが、朝目が覚めてビックリ。女性の自宅はとんでもない大邸宅で、男性は寛大な女性の両親と妹たちからものすごい歓待を受けます。話はトントン拍子に進み、女性とその家族から結婚を迫られます。
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突然の出来事に最初は逃げ腰の男性。しかし、いくつものドタバタ劇の末、二人は結ばれ、「めでたくハッピーエンド」・・・という、かなり笑える作品でした。
きっと「フィリピンパフで幸せを」は、「家族のかたち」にこだわる人たちには、とうてい理解できない話でしょう。
でも、5つのショート・ストーリーを見終わったとき、「幸せそうだなぁ」と思えたのはこの話に登場する家族だけでした。
「家族とは何なのか」と、改めて考えさせられた作品でした。(続く…)