家族のかたち(4/6)
「夫婦別姓反対増」のカラクリ
「家族のかたち」と言えば、つい最近、夫婦別姓に関する内閣府調査が発表されました。 マスコミ各社は「夫婦別姓 反対増える」「夫婦別姓は減った」と報道していましたが、実はこの調査結果にはカラクリがありました。反対派の年齢構成が熟年層に偏り、回答者の86%以上が既婚者だったのです。
2007年2月10日の『東京新聞』は、「これから結婚する人の意見が反映されていないのはおかしいのではないか」、「前回の調査の方がまだ現実の人口構成に近かった」として、内閣府の「若い層は昼間仕事に出ていたり、回答拒否が多い」というコメントを批判に論じています。
私もまったく同感です。だって、「今後の施策の参考とする」ための調査と公言しているのですから。
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記事によると、夫婦別姓問題に直面してきた20〜40台女性の反対派は20%にも満たず、容認派は40%を越えるそうです。
現政府で力を持つ安倍晋三首相をはじめ、高市早苗男女共同参画担当相、中川昭一自民党政調会長などがこぞって夫婦別姓反対派であることを考えると、どこか作為的な雰囲気さえ感じてしまいます。
ちなみに安倍首相は少子化対策の一環として新設した「子どもと家族を応援する日本重点戦略検討会議」でも「家族の再生」を掲げている人です。
また、著書『美しい国へ』(文春新書)の「教育の再生」(第7章)では、「『家族、このすばらしきもの』という価値観」というパラグラフで、「『お父さんとお母さんと子どもがいて、おじいちゃんもおばあちゃんも含めてみんな家族だ』という家族感と、『そういう家族が仲良く暮らすのが一番幸せだ』という価値観は、守り続けていくべきだと思う」(219ページ)と書いています。(続く…)