「絆」って何?(6/7)

2019年5月29日

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子どもが母(養育者)との間につくる情緒的な絆をアタッチメント(愛着)と呼びます。
子どもは、恐い思いをしたり、疲れたり、病気になったり、すなわち危機的状況が高まったとき、守ってくれるおとな(母)に近づくことで、その恐怖を鎮めようとします。

これは未熟な状態で生まれてくる子どもが、生存の可能性を高めるために行う、ごく自然な行為で、心理学用語ではアタッチメント行動と呼びます。

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子どものアタッチメント行動ーー抱っこをせがむ、泣く、甘えるなどーーによって、母側には「子どもの不安をどうにか和らげよう」という気持ちが喚起され、母親は子どもの不安を和らげるための行動をします。たとえば、抱き上げる、あやす、ゆする、授乳するなど、です。

このような相互作用、相互の行為が繰り返されることで、そこに強い「絆」がつくり出されていきます。子どもにとっては、その母が唯一無二の存在となり、母にとってはその子が、かけがえのない子どもになっていくのです。

「絆」がつくる安全基地

こうした「絆」が、子どもが成長し、けして楽ではない世の中を生き抜いていくため不可欠なベース(安全基地)をつくっていきます。

子どもは、自分に顔を向け、「お腹が空いたんだね」と、欲求(ニーズ)をくみ取り、問題(不安)を解消してくれる母の存在によって、外界を「安全なもの」と認識し、「求めれば他者は助けてくれる」という対人関係や「自分は助けられるべき価値のある存在である」との確信を深め、外界からの刺激による恐怖を収める感覚を学んでいきます。

無条件に欲求を受け止めてもらい、適切に応答してもらうことの積み重ねによって、子どもは「自分は守られている」という安全感を獲得し、「世の中は自分を受け入れてくれている」という基本的信頼感や「自分は大切な存在なのだ」という自己肯定感を持てるようになっていきます。

また、さまざまな刺激に対して適切に対応したり、自分の感情をコントロールすることもできるようになりますし、「不安や痛みに共感してもらえた」経験が子どもの共感能力を育て、他者とつながることを可能にします。(続く…

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