秋葉原殺傷事件の死刑執行(2)
前回、ブログで書いた安倍晋三元首相の襲撃事件の容疑者にしても、秋葉原殺傷事件の死刑囚にしても、その生い立ちが人生に与える影響の大きさです。
もっと端的に言えば、親の影響、というのでしょうか。
教育虐待の犠牲者
加藤死刑囚は、いわゆる教育虐待の犠牲者でもありました。死刑執行後、SNS上で同情の声も広がっています。
同死刑囚は逮捕後、次のように語っていました(『デイリー新潮』22年7月29日)。
「(詩や作文は)私が書いたものではなく、母親が手を入れたり、母親がほとんどやったりして、私の名前で出した」
「小学校に来ていく服はすべて母親に決められていた」
「高校は自分の希望を変更し、母親の母校に進学」「あの子と付き合うのは止めなさいと、交際を禁止された」
祖母が語った子ども時代
同死刑囚の祖母は、その子ども時代について「幼い頃のあの子は率直ないい子だったんです。でも、両親がスパルタでね。トモがニコニコしていると父親が『締まりのない顔をするな!』と怒鳴る」(『FRIDAY DIGITAL』22年7月26日)とも話しています。
記事の中には、見ることが許されたテレビ番組は『ドラえもん』と『日本昔ばなし』だけであったり勉強ができないと風呂に沈められたこともあったなどのエピソードも載っていました。
彼もまた、結局は親への恨みや親への期待から逃れることができず、人生を破綻させた、「親に人生を支配された人たち」だったのではないでしょうか。