オリンピック・パラリンピックとボランティア(6)
「困っている人を助けたい」「たいへんなときはお互い様」ーーそんな気持ちでいる人がたくさんいるというのなら、それはもちろん素晴らしいことです。
日本は冷たい国
でも一方で、「日本人は弱者に冷たい国(社会)」であることを示す調査もあります。
たとえばイギリスのチャリティー団体Charities Aid Foundation (CAF)が毎年公表している世界寄付指数 (World Giving Index)です。人助け、寄付、ボランティアに関する指数があります。
2014年版の世界寄付指数をもとに、「世界と日本のあたたかさ」を分析した記事(世界で最も他人に冷たい先進国、日本を見つけました。記事中の地図はその指数の値により暖色から寒色に色分けされていますが、日本は見事に真緑。
つまり冷たい国(社会)であることが分かります。
なぜかボランティアに費やす時間は増加
とくに人助け指数が135カ国中134位で世界ワースト2位。寄付指数は311があった2011年にピークに達し、以後は下降線です。それにもかかわらず、なぜかボランティアに費やす時間だけが増加傾向という不思議な現象が見て取れますが、総合的な世界寄付指数は90位と下位に位置しています。
もうひとつは、「自力で生活できない人を政府が助けてあげる必要はない」と考える人の割合が世界で圧倒的1位という調査(日本人が弱者に異常に厳しいのはなぜなのか?自己責任論と弱者叩きの心理)です。2007年のもので少し古いのですが、衝撃的なのでご紹介したいと思います。
同調査によると、なんと自己責任の国アメリカよりも「助ける必要は無い」と考えている人が10%以上も多い人のです!!
最初に、この調査を知ったとき、私はかなりびっくりしました。
子どもの頃から「日本はおもてなしの国」「親切な国」というふうに教えられてきたはずなのに、実態はまるで違うということになります。
不思議な現象
「寄付や人助けはしない」
「生活に困るのは自己責任」
それなのに「ボランティアをしよう」という人は増えているという、この不思議な現象を私たちはどう受け止めればいいのでしょうか。