オリンピック・パラリンピックとボランティア(5)
さらに森田浩之さんは次のように、記事(「復興五輪」という言葉に、拭いきれない違和感が湧いてくる)を書き進めています。
「須田善明・女川町長が河北新報のアンケートにこたえたように、これは〈「被災3県五輪」ではない〉のだ。彼の言うように〈観光振興など過剰な期待は方向違い〉と考えるくらいがちょうどいいのかもしれない。
1964年の東京オリンピックは、戦後復興の象徴と言われる。しかし東京都心が整備されただけで、地方との格差が拡大したという側面もある。
2020年大会にも同様の問題がある。オリンピックに向けて再開発やインフラ整備が進み、一極集中が加速している。
しかし1964年大会に比べてさらに厄介なのは、菊地健次郎・多賀城市長が河北新報のアンケートにこたえたように『東京に建設需要が集中することになり、結果として国の予算が被災地に回らなくなる』ことだろう」
再開発が進む東京
311以降、地震や火山の噴火や集中豪雨に土砂災害、台風被害と日本列島は相次ぐ災害に見舞われています。
しかし復興の歩みは遅く、建築資材や職人さんなどの建設業者が足りないという話は、あちこちで聞きます。
一方で、東京周辺では「2020年に向けて」再開発が進み、ウォーターフロント地区では高層・高級マンションが林立し、銀座や渋谷などの商業施設はどんどん新しくなっています(東京の再開発スポットまとめ – 商業施設やホテルなど続々オープン!来るオリンピックに向けて)。
もうひとつの疑問
「本当にこれは『復興五輪』なのか」や、そこに参加するボランティアについての疑問をるる述べてきましたが、実はもうひとつ疑問があります。
「はたして日本人はそんなにボランティアが好きだったのか」
ということです。
ここのところ、何か震災被害が起きるたびに、「ボランティアがかけつけ・・・」という報道をよく見ます。週末や連休になると、「各地からやってきたボランティアが・・・」と、アナウンサーが連呼するニュースも、よく耳にします。
バスやツアーを仕立てて、ボランティアに行こうという人たちを支援する人たちの話もよく聞きます。