急がされる子どもたち(4/8)
子どもたちが急がされているのは、毎日の生活の中だけではありません。
私が子どもの頃、受験と言えば高校受験からが一般的でした。もちろん、当時も中学校や小学校に入るために受験しようという人はいましたし、私立の有名大学には幼稚舎から付属になっているところがありました。
でも、多くの人は「中学までは公立で」という考え方だったのではないでしょうか。
中学受験は当たり前
ところが東京近郊では、わりと中学受験は当たり前。小学校を受験するケースも、そう珍しくありません。
そして、受験に向かって学習塾に通っている子どものなんと多いことか!! 統計を取ったわけではないので、たんなる私の実感にすぎませんが、小学校4年生ともなると学習塾を利用していない子どもの方が少ないような気がします。
カウンセリングの中でも、小中学生の保護者であるクライアントさんが「今、塾にお弁当を届けてきました」とか「カウンセリングが終わったら塾のお迎えに行きます」などとおっしゃるのをよく聞きます。
家で子どもの勉強をみてあげることも、当たり前になりつつあります。宿題の内容はもちろん、ちゃんとテスト課題の範囲を学習しているのかどうかや勉強の進捗具合をチェックするのも親の役目のようです。
かつては「遊び中心」だった10代前半も、今では「勉強が中心」なのが普通のようです。子どもたちも、すっかり「そういうもの」と思って暮らしている感があります。周囲がみな、そうなのですから当たり前と言えば当たり前ではありますが・・・。
将来を見据えた習い事も
まだ小学校に入るや否やの年齢から、将来を見据えてさまざまな習い事に通う子どももいます。
最近、空き地などの遊び場の減少、運動能力の低下などが心配されたことで増えている鉄棒や跳び箱などを教えてもらえるスポーツ教室や、アウトドアなどの野外活動教室に通う子どものことを耳にすることがあり、「それってわざわざ習うことなの?」と驚いた記憶があります。
でも、なんと言っても多いのは英会話教室に通う子どもでしょうか。2020年度に実施される新しい学習指導要領で、小学校高学年からは教科に、小学校3、4年生では外国語活動に入ることが決まった英語に対応して、「なんとなく早くからやらないと・・・」という気持ちになるのでしょう。(続く…)