子どもの「うつ」と「あきらめ」(2/4)
一時的な気分の落ち込みは、だれにでもあります。
失恋したり、がんばった仕事が評価されなかったり、信じていて友達に裏切られたり・・・などなど、ストレスを受ければ気持ちが沈むのは、当たり前。
辛い出来事に出遭って、きちんと落ち込めるのは、心が健康に働いている証拠です。
では、どういう状態になるとうつということになるのでしょう?
一般には、落ち込んだ状態が長く続いて、いつでも空虚感があったり、何かに興味を持ったりすることが出来なくなったりして、睡眠障害や食欲の減退、集中力や記憶力の低下などが見られ、日常生活に支障をきたすようになるとうつと診断されます。
===
10代の多くがうつの入り口に?
ごく大まかな表現ですが、最近、10代の子どもたちと話していると、こうした
「生きていることに意味(価値)を見出せず、希望をもてない雰囲気」
を感じることがよくあります。
今現在、うつにはなっていないかもしれませんが、その入り口にいるような、何か大きなイベントに遭遇すれば、すぐにもうつ状態になってしまうような、危うさを秘めているような怖さを感じるのです。
「世の中、しょせんこんなものーー」
最近の10代から感じるのは、無気力、絶望、刹那的、諦め、自分に価値を見い出せない(自己肯定感の低さ)、自分を大切にできない(自己破壊的)・・・そんなムードです。
親や教師、学校、おとな社会にいろいろ不満も、言いたいこともあるはずなのに、すべて飲み込んで何も言わない。その代わり、何も期待しない。当然、怒るべき場面でも起こりません。
だからこそ「怒り」を溜め込みがちになり、ふとした拍子に「キレ」やすくもなるのでしょうが、とにかく「自分の感情に向き合って、それをきちんと相手にぶつけ、葛藤を解決しよう」という子どもが少なくなったように思うのです。
「世の中、しょせんこんなものーー」。
何があってもそんな様子で、ある意味、達観しているようにも見えます。(続く…)