急がされる子どもたち(3/8)
私が子どもたちの異常な忙しさを感じるようになったのは、震災後です。
次回、子どもの権利条約に基づいて行われる国連「子どもの権利委員会」での日本政府報告審査で意見表明をしたいと思っている小中高生の子どもたちと接するようになったことがきっかけでした。
国連での子どもの意見表明
ちょっとだけ説明させていただくと、日本をはじめ、子どもの権利条約を批准した国は、一定期間ごとに自国の子どもをめぐる状況を国連「子どもの権利委員会」に報告し、その内容について審査を受ける義務を負っています。
この審査の際、「自分(子ども)のことは自分たち(子どもたち)で伝えたい!」という子どもたちが集まって国連に行き、意見表明をする活動は日本のNGOが世界に先駆けてはじめたことです。今までに3回行われていて、私はそのうちの2回に、付き添いのおとなとして参加させてもらってきました。
予定がびっちり
震災後、その4回の日本政府報告書審査で意見表明をしたいと言っている子どもたちと会うようになり、忙しすぎる、そして急かされている子どもたちの状況を目の当たりにするようになりました。
たとえば集まりを持とうと思っても、「やれ部活」「私は塾」「ぼくは課外授業」「こっちは試験」と、集まる日取りをなかなか設定できません。それぞれの年間スケジュール表(学校で配られているようです)をつきあわせて次回の集まりを決めていたのですが、とにかくやることがびっちりなのです。
優秀で生徒会活動やボランティア活動が大好きな、活発な子どもが多く集まったせいもあるのかもしれませんが、びっくりするくらい、どの子も予定が詰まっています。
学校で行う試験以外にも、模擬試験だの、資格試験だの、塾のテストなども抱えていました。さらには自由参加のはずなのに必ず行かねばならない奉仕活動はあるし、高校生以上になると企業やNPOでのインターンと、「のんびり」「まったり」する隙間などまったくありません。
夏合宿にも勉強道具持参?!
どうにかこうにか予定を合わせて実現した夏合宿のときも「合宿後に模擬試験があるから」とか「部活が忙しくて宿題ができてないから」と、ほぼ全員が勉強道具を持ち寄ってきていました。
夕飯の後はドリルを出したりしながらの自主学習がはじまり、低学年の子が高学年の子に勉強の仕方を教えてもらったりしていたのです。
まぁ、もちろん、最後はお決まりのおしゃべりが始まり、明け方までだべっていたという現実はありましたが・・・。(続く…)