急がされる子どもたち(1/8)

2019年5月29日

8月に入っていよいよ夏本番。夏休みムードも高まってきました。みなさんは、「夏休み」と聞くと、どんなことを思い出されますか。

私が思い出すのは、自由研究や日記、感想文や絵画などの宿題。それからラジオ体操でしょうか。

もう時効なので、正直に書いてしまいますが、夏休みの宿題が出されると「どうやって楽して仕上げるか」を考えたものです。
とくに毎日継続してやらなければならない日記やお天気記録は大の苦手だったので、日記は「1週間分まとめて書いてしまえ」と適当に書きちらし、天気のほうはまじめに毎日付けていそうな子にあらかじめお願いしておき、夏休み終了間近に写させてもらっていました。

ラジオ体操は、出席した日に判子をもらうという仕組みだったので、「昨日、もらい忘れちゃった」などと嘘をつき、ちょっとだけズルをしたりしながら、とにかく夏休みは「朝寝坊してめいいっぱい遊ぶ!」ということに意欲を燃やしていたような記憶があります。

ラジオ体操の縮小

でも最近の子どもたちの夏休みはちょっと様相が違うようです。
先日も、都内のある住宅街を歩いていたら「今年のラジオ体操は中止です」という張り紙を見つけました。

そういえば、何年か前のワイドショーか何かで「親たちの送迎が負担」、「近所からうるさいと苦情が出た」などの理由で、中止になったり、短縮されたりする傾向があるという話を耳にしたことがあります。真偽のほどは分かりません。

確かに家の近所でも、実施期間は少しずつ短くなり、全体として縮小? の傾向があります。いちばん感じたのは、「音」です。かつては大音量でラジオ体操の音楽を流していましたが、ここ数年はかなり小さめのボリュームになっています。やはり、近所への配慮なのでしょうか。

「休めない」夏休み

ラジオ体操以外にも、子どもたちの夏休みはいろいろ変化しています。
「やれ夏季講習だ」「やれ部活だ」「奉仕活動もしないといけないし、課外授業もある」などなど、「いったいそれって夏休みなの?」という子どもたちが増えています。

そもそも、夏休み自体が短縮という自治体、学校が珍しくなくなっています。なかでも最近、話題になったのが静岡県吉田町です。「来年度から町立小中学校の夏休みをお盆の前後16日間にする」と発表したのです。

その理由を同町の浅井啓言教育長は「新学習指導要領をいち早く先取りした」と説明しています(『朝日新聞』 2017年7月27日)。(続く…

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Posted by 木附千晶