四角いスイカ(5/7)
藤原さんが校長を辞した後も、やはりリクルート出身で、当時トップアスリート社代表取締役だった代田昭久氏が就任しました。
その後は民間人校長の採用は行われていないようですが、今も学習塾の講師を招いての有料の補習授業は続いているようです。
子どもを見捨てた?
縷々書いてまいりましたが、話をうんと元に戻しましょう。
四角いスイカ(2)で気になるコメントをされていると書いた長谷川さんは、そんな市場価値を学校内に取り入れた和田中のある杉並区で適応指導教室に勤めていた方です。
その方が、次のようなコメントしていたのです。
「和田中から不登校や知的な障害がある子らが、適応指導教室に送り込まれた。他の中学より多い印象だった。学校の価値を高めないとみなされた子を見捨てたのか」(『東京新聞』 2015年2月28日付)
枠にはまらないものははじかれる
まさに「四角いスイカ」の話とそっくりではないでしょうか。
窮屈な枠をつくればつくるほど、その枠にうまくはまれないものも増えます。エネルギーがあったり、自分らしさを色濃くもったものほど、はめられた枠を壊そうとして、うとましがられます。
枠に適応できないものは「不適応」の烙印を押され、市場では価値のないものとしてはじかれていきます。
“発達障害ブーム”も一役買っている
たとえ適応させようとする枠のほうに問題があっても、そのことが顧みられることはありません。どんなにへんてこな枠であっても、それに適応できないものは「不良品」とされてしまいます。
そんな仕組みが今の日本ではあちこちに見られます。そうしてはじき出された「不良品」を、「どうにか加工してして格好をつけ、枠に当てはめてあげることが正義」だと本気で信じている方々も多くいます。
昨今の“発達障害ブーム”も、こんな社会の風潮に一役買っていることでしょう。(続く…)