機能不全社会(5/10)
この3月を振り返っても、「血で血を洗う戦い」は一向に止む気配は無く、一般臣民の犠牲も増えています。
アラビア半島のイエメンでは、自爆テロによって77人が死亡(3月20日)。チュニジアの首都チュニスにあるバルドー博物館ではイスラム過激派に海外旅行客が襲撃され、日本人3人を含む23人が死亡する悲劇も起こりました(3月18日)。
報道されることはほとんどありませんが、シリアではアメリカを中心とする有志連合の空爆によって多くの市民が命を落とし、死の恐怖と隣り合わせで暮らしていることでしょう。
これはもう「社会の問題」を超え、世界全体が機能不全に陥っていると言っても過言ではないでしょう。
拡大する自衛隊の活動
そうしたなか、自民・公明両党は武力で他国を守る集団的自衛権の行使を可能にする武力攻撃事態法改正などに大枠で合意しました。今後、日本政府は関連法案の条文を作成し、関連法案を成立させていきます。
そうすれば自衛隊の活動範囲は地球規模に広がることでしょう。
確かにそこには、海外での法人救出や国際的な復興支援活動も盛り込まれてはいますが、前回のブログで書いた法人救出失敗の顛末や、現在、3.11の被災地で行われている住民軽視、企業の利益や権益の拡大を図る復興の様子を見れば、その言葉も薄っぺらなものとしか感じられません。
テロに駆り立てるもの
そもそも、なぜこんなにも欧米諸国への怒りが中東地域で噴出しているのでしょう。何が人々を命をかけた危険な行為へと駆り立てているのでしょうか。
もちろん、何があっても人を殺したり、武力を使って思い通りにことを運ぼうとする考えは許されません。
しかし、中東の歴史を振り返ればそうした行動に駆り立てられざるを得ない人々の気持ちも理解できる気がします。(続く…)