いじめ防止対策推進法は子どもを救う?(5/9)
2019年5月29日
本当にスクールカーストなるものは存在するのでしょうか。
都内に住む高校一年生の女生徒に尋ねてみました。すると、驚く答えが返ってきました。
「うちの中学には『ハデーズ』と『ジミーズ』というグループがあった。きっちりした基準みたいなものはなかったけど、みんなだれがどのグループか認識していた。グループは固定されていて、入れ替わることはなかった」
彼女によると、「ハデーズ」は、明るくていい意味でも悪い意味でもみんなを引っ張って行く子たちのグループで、強い発言権を持っていたそうです。対する「ジミーズ」は地味な子たちのグループで、たとえばアニメ好きなどのオタクと呼ばれる子たちが入っていたとのこと。
「ハデーズ」はいつも偉そうな感じで、「ジミーズ」を“いじって”いて、見下しているようだったとのことです。
たとえばプリントを取りに行くとか、ちょっと面倒なことを「ジミーズ」にさせていて、「ジミーズ」は黙って従っていたとのこと。
いわゆる「アゴで使う」ような感じだったようなのですが、言葉としては「取って来て」と言うだけ。そのニュアンスを文字で表現するのはとても難しと思います。
だれも気づかないいじめ
どちらのグループでもない中間層に属していた彼女は「なぜ同い年の子を恐れないといけないんだろう」という疑問は感じていました。でも、「ハデーズ」の行為をいじめだと思ったことはなかったそうです。
なぜなら、彼女の考えるいじめは、大勢でよってたかってひとりを攻撃するというもの。グループ間での上下関係は含まれません。
だから中学校時代たびたび行われた『いじめに関するアンケート』の「いじめられている人はいますか」という設問の回答は、いつも「いいえ」でした。
そしておそらく教師も「ハデーズ」がやってることをいじめとは思っていなかったのではないかと言います。
「『なんでも頼めるくらい仲良し』と思っていたんじゃないかな」(女子生徒)(続く…)
Posted by 木附千晶
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