『平気でうそをつく人たち』(4/9)
そしてエネルギー政策や復興対策予算の使い方をめぐっても、民主党率いる政府の不誠実さ、その厚顔無恥ぶりが浮き彫りになりました。
「30年代の原発稼働ゼロ」の理想を掲げ、原発の新増設を認めない方針を打ち出しながら、従来通り核燃料サイクルなどを維持。使用積み核燃料を加工したプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を全炉心で使用する、「世界初のフルMOX原発」である大間原発(青森県)の建設も再開されました。
「すでに着工されていた大間原発などは、現行法令上、(設置許可を)途中で取り消す制度はない」というのが枝野幸男経済産業大臣の言い分です(『東京新聞』2012年10月5日)。
その姿勢に、原発推進、脱原発派双方から批判が噴出しています。
復興予算の使い道では
復興予算では、生活と命を支えるために必要なお金が被災地に届いていない一方で、だれが見てもとうてい復興予算とは認められない事業に、多額の予算が回っていました。
たとえば反対捕鯨団体の妨害対策(農林水産省)や、刑務所で訓練用の建設機械の整備(法務省)、沖縄の国道整備(国土交通省)、企業の国内での立地推進、整備投資の補助(経済産業省)ほか・・・まだあります。
こんな無駄なお金を使いながら、東日本大震災で被災した中小企業6割の補助金交付の申請が「国の予算が足りない」として却下されていました。
腹が立つのを通り越して「開いた口が塞がらない」とはこういうことを指すのでしょう。
なぜ「火事場泥棒」が横行?
なぜ文字通りの「火事場泥棒」が横行してしまったのでしょうか。
「そのカラクリを解く鍵は、政府の復興基本方針に仕込まれた二つの文言にある」と、『東京新聞』(2012年10月8日)は次のようなことを書いています。
まずひとつめは、「日本経済の再生無くして被災地の真の復興はない」。もうひとつは、この考えの下に「被災地と一体不可分として緊急に実施すべき施策」の実行を認めたことです。
こうした「日本経済の再生」という考え方は政治サイドの要求で、東日本大震災復興基本法に盛り込まれたとされています。
いずれも、野田首相率いる民主党が何を大切にし、何を軽んじているのかがよく分かる事実です。(続く…)