推し活依存症(4)
恐ろしいのは、そんな「推し活」依存症が、今や市民権を得ているということです。
もちろん、依存症はだれでもなりえる病です。 が、少なくとも「依存症にはならないほうがよい」と思われてきたし、依存症に対しての一定の警戒感がありました。
物質への依存であるアルコールや薬などは、直接的な身体への影響があるため、比較的、気付きやすい依存症でした。また、行為への依存でも、ギャンブルなどにはまるのはやはり“一部の人”というイメージがあったでしょう。
国民総依存症
ところが今やだれもが、当たり前のように「推し活中」と語ります。「私はアルコールにはまっています」というのははばかられても、アイドルやホスト、ゲームのキャラクターにはまる推し活は気楽な趣味という雰囲気があります。
パナソニックが20~50代の女性を対象に行った調査では、なんと「5人に一人が推し活中」と回答したとか (MarkeZine)。
企業を含め、金儲けを目録輩は、こうした「推し活」にはまる人々に、どうにかしてお金を使わせようと、あの手、この手で迫ってきます。
要因は社会にある
「推し活」を依存症と考えれば、一斉摘発や取り締まりの強化が、何の役にも立たないことが分かるでしょう。
「止めろ」と言われて止められるなら、それは依存症ではないのです。
そんなことをするよりも、なぜ、今の若者がそんな破壊的な人生を選ぶのか。彼ら・彼女らが歌舞伎町やトー横に集まってくるのかをもう一度考えてみるべきではないでしょうか。
ユニセフの「子どもたちに影響する世界」では、先進国38カ国中、精神的幸福度が37位の日本。10代の死因1位が自殺の日本。
これらの数字を見ても、子どもたちを依存症へと追い込んでいる要因が日本社会にあることは明らかです。