『子ども報告書』ができました!(7/7)
なぜ、子どもたちがそんなにも孤独なのか。総論は、こんなふうに書いています。
「おとなは『あなたが生きられる場所はここだけよ』と壁を設置して、その壁を乗り越えられない時には徹底的に子どもに烙印を押します。
その壁によじ登ってバタンと倒れて痛んで、泣いて、だれかそばいて、『大丈夫、また登ってみよう』と言ってくれるなら、壁はいくらでも乗り越えられます。けれど、今、おとなが私たちに言っていることは、よじ登ってバタンと倒れてしまったとき、痛みを感じるな、苦しむな、痛いと思ったら終わりだ。だらしない。そんなやつ脱落だ。愛される資格もない。そういうことなのです。
私たちは誰かに愛されたいと願い、たとえそれがおとなの所有物になることであろうが、親自身の商品価値を上げるための道具であろうが、必死になっておとなの揺れる心に付いていこうとします。けれど、おとなは私たちの揺れる心に一度でも向き合おうとしたでしょうか? 一瞬の『負の感情』に苛まれた私たちを抱きしめて、共に苦しんでくれたでしょうか?
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「その『絆』を断ちたいわけじゃない」
でも総論は、ただおとなを批判し、「おとななんかもうあてにしない」と言ってはいません。
それとはまったく逆の結論になっています。
「毎日自分の身に降りかかる様々な価値や評価に疲れて、私たちは誰に何を認めてもらえば良いのか分からなくなりつつあります。
それでも、きっと、私たちは国に認められるため、企業に認められるために生まれてきたわけではないはずです。いちばん身近なだれかにきちんと認められたい。ただ、それだけです。ただ、それだけの「糸」を手繰り寄せようと必死にもがいているのです。だからどうか、その糸を切ろうとしないでほしい。
すべての糸を断ち切って、皆がバラバラに点在しているような社会はきっと誰も幸せを感じられない世界ではないでしょうか。
そんな世界に生きるために、私たちは生まれてきたはずじゃない。私たちの母や、父や、先生だって、そんな世界を私たちに見せるために生きてきたはずじゃない。今こそ、点を線で結んで、繋がりあって、一人ひとりがしっかりだれかと向き合える、不安に怯えなくていい世界を」
国連に届け! 子どもたちの声
今月末、そんな子どもたちの思いを手に、私もジュネーブ(スイス)にある国連に行ってきます。
子どもの権利のための国連NGO・DCI日本(https://www.dci-jp.com/index2.html)の仲間も一緒です。
子どもの権利条約は、その批准国に対して5年ごとに国内の子ども状況や、子どもの権利条約の実施状況を国連「子どもの権利委員会」(国連)に提出することを課しています。そして、国連はその政府報告書と、おとなから集めたNGOの報告書(すでに提出済み)をもとに審査を行うのです。
第3回目になる今回は、5月27・28日が審査日です。
結果については、またこのブログでもご紹介したいと思っています。
どうか、どうか、子どもたちの声が届く結果が出ますように!!