国連傍聴ツアーに行ってきました!(2/6)
のっけから脱線してしまいましたが本筋にもどし、そろそろ国連の話をしましょう。
前回「国連側の事情で入場制限があった」と書きましたが、まずこれが大変でした。子どもの権利条約のための国連NGO・DCI日本の代表や事務局長が10日間も、ほとんど寝ずにやりとりを交わし、それでも頑なに「入場者数を制限する」と引かなかった国連側。
最終的には当日の朝、雨が降る中を最後の交渉をして、交代制で入ることになったのですが、こんなことは初めてです。
過去2回の傍聴のときはまったく問題にならないことでした。
事務局長いわく「子どもの権利条約についてだけでなく、あらゆる条約関連での国連事務局(委員会ではない)のNGOへの対応が変わってきている」とのことですが、平和の象徴である国連なのですから、あらゆる人に対してオープンであって欲しいものです。
2日にわたる審査
すったもんだの末、「過去一度も傍聴したことがない」人から優先的に中へ。傍聴経験者は、いったん解散し、その日の午後の傍聴に回ることになりました。
私が傍聴に入ったのは27日の午後。午前中に総論的な審査を行い、そこで上がったテーマについて午後は各論的に議事が進行されていました。
審査は2日間に及ぶ長いものなので、その全貌をここで示すことはできませんが、DCI日本が「第3回子どもの権利条約 市民・NGO報告書をつくる会」(「第3回つくる会」)とともにつくり、国連に提出した報告書が活きた審査になっていたと思います(審査にご興味のある方はDCI日本のホームページをご覧ください)。
NGO報告書のポイント
ごく簡単に、まずは今回の審査の“もと”になったNGO報告書について説明します。DCIの事務局長は、NGO報告書のポイントを次のように述べています。
1)親や教師など、子どもとかかわるおとなの労働の規制緩和による家庭の崩壊、保育などあらゆる分野における子ども施策の後退という制度的問題、進む競争的な教育制度があること
2)それらが子どもの育ち、教育を保障する立場にいるおとなたちが余裕を無くし、子どもとかかわれない状態に陥らされていること
3)その当然の結果として、子どもたちは安心できる居場所(受容的・応答的な人間関係)を奪われて孤独になり、苦しんでいること、
4)そのような事態を打破するための視点と、対抗軸となる子どもの権利条約の本質について
国連「子どもの権利委員会」委員の方々は、このNGO報告書を熟読し、さらにNGO代表から話を聞く2月の予備審査(本審査の前に行われます)で、突っ込んだ議論をし、今回の本審査に臨まれていました。(続く…)
※写真は審査が行われた国連の別館パレ・ウィルソンの入り口