本音を言えない子どもたち(1/5)
問題の多い「改正」教育基本法の成立や年末年始などがあり、「道徳や説教で子どもが救えるか?」で予告した「子どもたちが本音を語ることができずいる現実」について書く機会がなかなかありませんでした。予告を読まれていた方々に、お詫びいたします。
この間、政府の教育再生会議は、教職員、加害者や傍観者の子どもへの懲罰的な意味合いの強い「いじめ問題への緊急提言」(2006年11月29日)を出しました。文部科学省は子どもの声を重視し、「本人が『いじめられている』と感じたら、いじめである」との新しい定義を発表。いじめや自殺の調査を抜本的に見直すことを決めました(2007年1月19日)。
また、いじめを受けていることを学校に相談した後輩を集団で暴行したとして、都立定時制高の生徒4人が傷害容疑で逮捕される事件なども起こりました。
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そうした中、この24日には教育再生会議が安倍晋三首相への第1次報告を提出。そこにはいじめ対策として、加害者の出席停止措置や、学校教育法で禁止している体罰(実際には依然として存在しています。「子どもの声を国連に届ける会」2参照)の見直し、教師が「毅然たる指導」ができる体制づくりの必要などが書かれていました。
安倍首相は、この報告を受け、学校教育に関わる三つの法案の「改正」案を今国会に提出するそうです。
ところで、今回は触れませんが、第1次報告には「『ゆとり教育』を見直す」として、授業時間数の増加を促したり、高校での奉仕活動の必修化を提言したりするなど、見過ごせない問題が多々あります。
いずれ、これらの問題にも取り上げていきたいと思っています。(続く…)