「子どもの声を国連に届ける会」(3/9)
ようやく英語訳が出来たのは、なんと日本を出発する前日! 英語の特訓はジュネーブに向かう飛行機の中で行われました。
しかも、メンバーの英語の発音はお世辞にも「上手」とは言えませんでした。こう言ってはなんですが、「とうてい委員の人たちに通じない」感じだったのです。機内では、見かねたオーストラリア人女性が「お手伝いしましょうか」と英語のコーチを申し出てくれたほどです。
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けれども、「届ける会」の子どもたちには「伝えたい思い」がありました。自ら、虐待や体罰、受験競争、いじめ、不登校などの体験をしてきた子どもたちは、3年もの時間をかけて自らの問題を考えてきていました。
「子どもだから」と声を奪われた悔しさ。「子どものくせに」と尊重してもらえない悲しさ。何を言っても聞き入れてもらえない絶望感。そんな日本の多くの子どもたちが抱えている声に出せない思いを、自分自身の親、教師、その他の身近なおとな、との関係に重ね、「自分の問題はけして自分ひとりだけの問題ではない。日本で暮らす子どもたちみんなに通じることなんだ」と確信した子どもたちには、「どうしても委員の人たちに分かってもらいたいこと」があったのです。(続く…)