タイトル:「がれきに埋もれた子どもを救え!」・・・国連からの画期的勧告(2)
日本の教育の在り方が、「子どもの成長発達に甚大な被害をもたらしている競争主義的すぎる教育制度を改めよ」との勧告は、全国学力テスト以前にも国連からずっと出ていました。たとえば次のようなものです。
「成長発達の主要な三つの場である家庭、学校、施設のすべてで競争(管理)と暴力、プライバシーの侵害にさらされ、意見表明を奪われ、その結果、発達が歪められている(Developmental Disorder)」(1998年:第1回『最終所見』)
「教育制度の過度に競争的な性格が子どもの肉体的および精神的健康に否定的な影響を及ぼし、子どもが最大限可能なまでに発達することを妨げている」(2004年:第2回『最終所見』)
学校環境から子どもを解放せよ
ところが今回の勧告はトーンが違います。
「子どもの成長発達に悪い影響を与えいている教育制度を見直せ」というのではなく、「ストレスの多い学校環境(過度に競争的なシステムを含む)から子どもを解放するための措置を強化せよ」(第4・5回『総括所見』パラグラフ39(b))と言っています。
つまり、国連から見て日本の教育制度・教育環境は、もはや子どもにとって害悪でしかないと判断し、「そんな場所から子どもを救い出せ!」と言い切ったわけです。これだけでもすごい内容ではありませんか。
初めて光が当てられた領域も
(1)共同親権(共同養育)を実現するために民法等親子関係の法令を改正せよ(27)
(2)児童相談所の一時保護の慣行を廃止せよ(28、29)
(3)あらゆる場面において、いかに小さな体罰も全面的に禁止せよ(24、25)
(4)子どもの第一次的な生育の場である家庭の崩壊を防げ(27、38)
(5)施設での子どもの成長発達の質を確保するために最低基準を設け、十分な予算配置 をせよ(40)