「子どもの声を国連に届ける会」(4/9)

2019年5月29日

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2004年1月に国連「子どもの権利委員会」(At Palais Wilson in Geneva)でプレゼンテーションをした「子どもの声を国連に届ける会(「届ける会」)」のメンバーは8人。会の発足から3年あまりがたち、半分が大学生になっていました。
本当は8人のプレゼンテーションの全文を掲載したいところですが、かなり長くなってしまうので、エッセンスのみをご紹介させていただきます。

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プレゼンテーションは、次のような「届ける会」事務局長の山下淳一郎さんの言葉で始まりました。
「『子ども報告書』をつくるなかで、政府報告書からはまったく見えてこない日本の子どもたちの本当の叫びが見えてきました。『経済的に“豊か”とされる日本で、子どもがどんなに息苦しい生き方を強いられているか!』今日はここでそれを発表したいと思います」

まずは、一流企業で働き、疲れた父親から暴力を受けて育ったNさんです。Nさんの両親は、Nさんが自分たちの都合のいいように動かないと殴る、罵る、空気のように無視しました。やがて一番好かれたい「親」からうっとうしがられる辛さに耐えられなくなったNさんは「両親の“お人形”」になることを決意しました。

ところがそんな矢先、さらなる辛い出来事が襲います。父親が突然、過労死したのです。今度は「早くおとなになって母を助けろ」などという「良い子になれ」という世間からのプレッシャーにさらされることになりました。「両親の“お人形”」からは解放されたものの、今度は「世間の“お人形”」にならざるを得なかったのです。Nさんは言います。

「助けはなく、逃げ場もありません。目の前は真っ暗でした。『死ぬしかない』・・・・・私は13の時に自殺未遂をしました。その頃の私は、毎夜、腕や手首を切り続けて涙と血を流していました。睡眠薬を飲んで恐怖などを紛らわせていました。日本には他にも私のような思いをしている子どもがいます。子どもは親の所有物でもなくお人形でもない! 子どもの声を聞いて! 子どもは一人の人格なの! これ以上悲しい子どもが増えちゃいけない!」(続く…

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Posted by 木附千晶