『Spare』の人生(1)

イギリスのチャールズ国王の次男ヘンリー王子の自叙伝『Spare(原題)』が話題になっています。

『東京新聞』(23年1月7日)によると、ヘンリー王子は著書の中で、①結婚した翌年に自宅を訪問した兄が、王子の妻・メーガン妃を「不愉快だ」と言い、口論の末、自分を床にたたきつけたこと、②エリザベス女王死去の際には、父からメーガン妃を連れて来ないように言われたこと、など「家族の不和」を物語るエピソードを明かしています。

また、17歳でコカインを吸引したことや、陸軍時代にアフガニスタン戦争で敵の戦闘員25人を殺害したことなども告白しているそうです。


嫌悪感を覚えることも

個人的には、こうしたプライベートな話をセンセーショナルに取り上げること自体、あまり好きではありません。

日本の皇室報道でもよく感じていることですが、いくら公の人である(あった)としても、一人の人間です。そんな個人のプライベートな部分を根掘り葉掘り、尾ひれはひれを付けて騒ぐ心理が、私には理解できません。ときに嫌悪感さえ覚えます。

自叙伝の一貫したテーマ

しかし今回、あえて王子の自叙伝を取り上げたのは、そのタイトルが衝撃的だったからです。

このタイトルについて、『東京新聞』は「次男は、世継ぎの長男に何か会ったときのスペア(予備)」という古い言い伝えが由来だというガーディアン紙を引用しています。

ネット上では、以下のような突っ込んだ話も載っていました。

「自分が生まれた際、父のチャールズ国王(当時皇太子)が、母のダイアナ妃に『スペア』」を産んだことに感謝し、自分の仕事を終えたと述べた」として、「ウィリアム王子とヘンリー王子もこれに漏れず、『王位継承者とスペア(The heir and the spare)』と度々言及されてきた」

このネット記事によると、「スペア」であることへの恨みが自叙伝での一貫したテーマとなっているそうです。

にほんブログ村 メンタルヘルスブログへにほんブログ村 メンタルヘルスブログ 心理カウンセラーへにほんブログ村 メンタルヘルスブログ 臨床心理士へにほんブログ村 メンタルヘルスブログ 生きづらさへ

Posted by 木附千晶