新政権によって子ども施策はどう変わる(3/5)
教育に関することだけではありますが、民主党(や議員)のやってきたことを振り返ってみると、「子ども関連施策が大きく変わる」とは思えない気がします。
それどころか、自民党時代に積み上げられたある一定の、けっして子どもたちのためにはならない部分が強調されていくような感じさえもします。
いわゆる規制緩和や「多様な働き方」、「市場の拡大」などというオブラートに包んだ言い方で、「人間が人間らしく幸せに生きていくために聖域でなければならない場所」までを市場開放し、競争と評価による統制システムをつくり、効率性や経済性を何よりも優先してすべてを決めていくという路線です。
子どもが育つ家庭や保育所、学校などは人と人との情緒的なつながりこそが重視される場所ですが、そうした場所ほど市場経済や効率性となじまないものはありません。
「市場の開放ありき」のように見える民主党の教育施策には大いに疑問を感じます。
民主党の子ども施策の目玉・子ども手当て
では、民主党の子ども施策の目玉とも言える子ども手当てはどうでしょう。
「子どもの貧困」を問題視、その解消に取り組んで識者らの中にも、「子ども手当ては子どもを貧困から救う第一歩」と、評価する声が少なくありません。
子ども手当てを支給することで子どもの貧困率はこれだけ下がるという計算式もどこかで見ました。
でも、なんか腑に落ちないのです。
なぜ「従来からある児童手当の拡充」ではいけないのでしょうか?
なぜ児童手当ではいけないの?
「児童手当には所得制限があるから」
「児童手当は受験でお金のかかる世代の子どもに支給されないから」
「児童手当よりも子ども手当ての方が支給額が大きいから」
確かにその通りです。
でも、それなら現在の児童手当の仕組みそのものを見直して、もっと必要な人にきちんと支給されるよう、手厚い保障ができるようにすればいいようにも思います。
どうして、まったく新しい手当てをつくる必要があるのでしょうか?(続く…)