女性皇族の結婚報道と複雑性PTSD(3)

もちろん、インターネット等による誹謗中傷が人を追い込むことは知っています。

実際、2020年5月には、フジテレビの恋愛リアリティー番組「テラスハウス」に出演していたプロレスラーの方が、会員制交流サイト(SNS)上で非難された後、遺書のようなメモを残して亡くなりました。

また、最近では、2020年11月に東京都町田市の小学6年生が自殺したのは、学校で配布されたタブレット端末のチャット上でのいじめが原因であるとのニュースも話題になっています。

ただの推測に過ぎないけれど

しかし、こうしたネットいじめの犠牲者は、さまざまな理由でなかなかSOSを出せず、周囲もその窮状に気づけていないという場合がほとんどです。

それは秋篠宮家の長女にも当てはまることなのでしょうか。

具体的な症状などもよく分からないなかでは、ただの推測に過ぎませんが、彼女を追い込んだのは、「顔も見えないだれかによる誹謗中傷」などではなく、「愛する人にいつ会えるかも分からない」不安と、それを「本当に理解してくれる身近な人がいない」という孤独だったのではないかという気がしてなりません。

もう一つの疑問

さらにもう一つ疑問があります。もし、複雑性PTSDなのだとしたら、「結婚されることで、誹謗(ひぼう)中傷と感じられる出来事がなくなれば改善が進む」(秋山医師)というような、「危険な環境から脱すれば自然と良くなっていく」ものではないということです。

幼い頃に過酷な環境で生き延びてきた人たちが、親から解放され、自分の力で生きられるおとなになってからも長い間苦しみ続ける姿を見てきた者として、まるで納得がいきません。

心からお祝いしたい

本当に複雑性PTSDなのか、それともそうではないのかはさておき、どうしてひとりの成人女性が、愛する男性と一緒になりたいというだけのことなのに、こんなにも大騒ぎするのか。

まず、そのことが私には大いなる謎です。

百歩譲って、相手の男性やその家族が何らかの問題を抱えていたとして、それが何だというのでしょう。2人がそれで納得して、家族の問題も含めてどうにかやっていこうとしているのですから、素晴らしいことではないですか。

そもそも問題の無い家族などこの世に存在するのでしょうか。

3年以上も誹謗中傷され、見知らぬ人からも結婚に反対されながら、宙ぶらりんで3年以上も愛する人と会えないままだったのに、ずっと思い続け、さらには海外で2人でやっていこうというのですから、本当にすごいことです。

何度も心がくじけそうになったことでしょう。ちょっとやそっとの強さでは守り切れない愛だったと思います。ようやくたどり着いた結婚を心からお祝いしたいと思います。

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Posted by 木附千晶