オリンピック・パラリンピックとボランティア(3)

2019年5月29日

 今さら言うことではありませんが、ボランティアは「自発的」で、本人の「自由意志」であることが重要なはずです。

「だれかに言われたから」 
「やらないと不利益を被りそうだから」
 ・・・そんな思いで臨むのであれば、それはすでにvoluntary(ボランタリー)ではありません。

あまのじゃくが顔を出す

 そもそも「Jリーグができたとたんにサッカー観戦に行かなくなった」り、「大好きだった小劇団がメジャーになってしまったら熱が冷めてしまう」ような、あまのじゃくの私には、「そんなに多くの人がボランティアを希望するほど、オリンピック・パラリンピック開催を待ち望んでいるの?」という疑問があります。

 テレビなどを見ていると、「目の前でオリンピック・パラリンピックを見られるなんて!」「2020年が待ち遠しい!」などと言う人がよく登場します。でも、残念ながら私の周囲にはそういう人は見かけません。

福島の知人のメール

 どちらかというとオリンピック・パラリンピックの開催によって、交通渋滞が起きたり、仕事に支障が出ることを心配していたり、「その予算で別なことをしたほうがいい」と考えている人の方が多数派です。

 東京でのオリンピック・パラリンピック開催決定のニュースが駆け巡るなか、福島県内の浜通りに住む知人が送ってきた次のメールも、印象深く私の記憶に残っています。

「オリンピックに向けた復興に沸く日本のなかで、このまま福島は取り残され、忘れられていくのだろう」

「復興五輪」の理念を掲げて

 今回の東京オリンピック・パラリンピックは「復興五輪」の理念を掲げ、「東京に誘致を」のかけ声ではじまりました。

 そのため、聖火リレーは福島県がスタート地点となり、大会組織員会と東京都が9月4日に開いた海外メディア向けのレセプションでは、宮城の牛タンや福島の野菜など、東日本大震災の被災3県の食材を使った料理が振る舞われたそうです(復興五輪を海外メディアに発信 レセプションで被災地食材の料理(産経新聞))。

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Posted by 木附千晶