雪の日に思う(1)

2019年5月29日

雪 東京が「4年ぶりの大雪に見舞われる」と天気予報が告げた日、最寄りの駅に行くと「緊急のお知らせ」という立て看板が置かれていました。通常は、人身事故で周囲の関係各線が止まったときなどに出るものです。

「もしや人身事故で出勤できない?」と、あわてて看板に近寄ると、
「来週月曜日(1月22日)に関東地方で大雪の予報が出ています。電車が通常運行できない場合があり、交通に影響が出る可能性があります。いつもより余裕を持っての乗車をお願いします」といった内容でした。

もしかしたら、私の最寄り駅の話だけなのかもしれませんが、まだ雪も降っていないうちから「緊急のお知らせ」を出すなんて・・・。よく言えば、その律儀さというかまじめぶりに、悪く言えば責任どうにか回避しようとい姿勢に、思わず吹き出してしまいました。

これが「日本人!」?

この話を海外経験の長い友人やクライアントさんにしたところ、みな一様に「『日本人』って感じ!」と口をそろえ、次のように言いました。

「予想外に大雪が降ったりして交通網が乱れたら、私が暮らしていた国では当然のようにみんな休む。『事故の可能性が上がって危ないし、公共交通機関も乱れているのに、なんでわざわざ仕事に行くの?』と言うと思う。だけど日本人はどんなに大変でも『仕事なんだから』と、どうにかして出勤しようとするんだよね。逆に、雪が降ったことを理由に仕事を休んだら、白い目で見られたりして」

大雪の予報を受け、都心のホテルは軒並み満室。タクシーも予約がいっぱいで、当日では予約を受け付けられない状態でした。
夜のニュースでは、帰宅を急ぐ人が押し寄せ都心の基幹駅では軒並み入場制限が行われ、改札に入れないあぶれた人でごった返し、騒然とした様子が放映されました。

311直後を思い出した

その映像を見て、311直後の都心の風景を思い出しました。電車が間引き運転され、急行や乗り入れも軒並み運休。乗車してからの「行き先変更」なども行われ、私も通勤・通学するだけでへとへとになったのを覚えています。
駅に行ったら電力不足のためなのか? シャッターが降りていて駅に入れないということもありました。

それでも多くの日本人には「仕事を休む」という発想は無いようでした。かく言う私も、やはり日本人。いつもよりもかなり早めに家を出て、ちゃんと出勤を続けました。

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Posted by 木附千晶