仕組まれた自由のなかで(2)
そうしたなか、年々、渋谷でのハロウィーンの問題がクローズアップされてきました。
お祭り騒ぎに乗じた盗撮や痴漢行為、ゴミのポイ捨てや飲酒マナーの悪化などなどが指摘されています。
ここ数年は、10月31日が近づくと渋谷界隈は物々しい数の警察官が警備をし、警察官と仮装姿ではしゃぐ若者が入り乱れる異様な雰囲気に包まれます。
軽トラ横転事件も
今年は、仮装した集団が軽トラックを横転させる事件も発生しました。
これらを受け、長谷部健渋谷区長は「10月31日のハロウィーンに向けたお願い」というコメントも発表しました。
区長は、複数の逮捕者が出たり被害届が出されるなどの犯罪行為が行われている状況に憤り、「犯罪に至らなくとも、ルール、マナー違反をしている人たちの様子も多く報道されております。そのような人たちは、渋谷を愛し、この街を誇れるものにしていく思いのない人たちです」と、節度を守らない人々への不快感を示しました。
なぜ若者は渋谷に集まるのか
それにしても、なぜこんなにも渋谷のハロウィーンに人が集まるのか。11月1日の『livedoor NEWS』によると、ハロウィン当日の31日に渋谷で話を聞いてみたところ、海外を含め、東京や埼玉・千葉・神奈川をはじめ、愛知、大阪、滋賀、福島など、全国各地から仮装する若者が集まってきていたそうです。
その様子を同記事ではこんなふうに紹介しています。
「世界各国でもこれほど大規模な面積でストリートハロウィンが繰り広げられる街は無い。海外でも話題となり、是非一度日本の渋谷ハロウィンに行ってみたいという外国人も多い。世界的祭典として認知されているようだ」
日本人のイメージとは縁遠い
こうした犯罪まで起こるようなお祭り騒動は、世界的に見ても「物静かでおとなしい」イメージのある日本人とは縁遠く見えます。
みなさん、2020年に行われる東京五輪招致の最終プレゼンテーション(2013年)で、フリーアナウンサーの滝川クリステル氏が、日本の治安の良さや安全性と一緒に、日本人が人々を思いやる心や強い親切心を「おもてなし」という言葉に込めてスピーチしたことは記憶に残っていることでしょう。