「子どもを守る」とは?(3/5)
もちろん、一部の作家の方々などのように「鍵をかけて子どもを外に出さないようにする」とか「親の監視を行き届かせるべき」などというのも論外です。
経済的に苦しかったり、精神的に行き詰まっていたりして、とても子どもことを最優先に考えて生活できる状況ではない親だって、世の中にはたくさんいます。
子どもを家に残して夜通し働いてようやく生計を立てている親、子どもに注ぐエネルギーが無くだれか(何か)に充電してもらわなければとても生きられない親だっているでしょう。
子どものことが最大の関心事である親でいられることは確かに理想かもしれませんが、それをただ親に強要し、できない親を責めたら何かが解決するのでしょうか。
自分の身を守れないのも当然
それより、だれもが正当な賃金を得ることができ安心して子育てできる社会の仕組みをつくったり、うまく子育てができない親のサポートを充実させたりすることが先決なのではないかと思います。
そもそも日本社会そのものが、子どもが安心して親に甘え、子どもらしくわがままを言ったり、欲求をぶつけたりして、きちんとした子ども時代を生きることを保障せず、「早期教育」「早期自立」だの「競争」や「成果」にこだわって、子どもの成長・発達する力をつぶし、「あらゆる命に価値がある」と思う機会を奪っているのです。
親がうまく子育てできなかったり、子どもが自分の身を守ることができないのも当然ではないでしょうか。
サポート感が高い子は危機回避能力が高い
自分の身を守るためには、「自分は大切だ」と思えなければなりません。そんな気持ちを子どもの心の中にはぐくむのは、親をはじめとする身近なおとなのかかわりです。
周囲のおとなが「あなたは宝物だよ」「あなたはとってもかわいいよ」というメッセージをたくさん発してくれた子どもは、自然と「自分には価値がある」と思えるようになります。(続く…)