戦争がなくても平和じゃない(6/11)

2019年5月29日

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宮城県でも同様の気持ちになりました。

私が訪問した地域は地震と津波の爪痕がくっきりと残る宮城県北部。
そこには原発の影響とはまた違う、震災の影響が色濃く見られまました。

はしゃぐ子どもたち

宮城県では主に学校にある学童保育にお邪魔し、その指導員の方や教育関係者の方にお話を伺いました。

通学途中に出会う子どもたち、学校の入り口ですれ違う子どもたち、学童保育で遊ぶ子どもたち・・・みんな、楽しそうにはしゃいでいました。
子ども同士でじゃれ合い、くったくなく笑う姿を見ていると、まるで何事もなかったかのように思えるほど平和な、日常の風景でした。

学童保育にお邪魔すると、訪問者であるおとな(私)を見つけ、「おやつを分けてあげる」と、無邪気に話しかけてきました。「折り紙しよう!」「切り絵を教えてあげる」と、楽しそうに誘ってきました。

子どもの笑顔の奥に

しかし、そうした子どもたちの笑顔の奥に、命からがら津波から逃げたこと、親や姉弟を失ったこと、家が流されてしまったこと、未だに避難所で暮らしていること・・・。いくつもの恐ろしい体験が横たわっていました。

何も語ろうとしない子どもたちに変わって、おとなたちが教えてくれる子どもの壮絶な体験は、福島での事情とはまた違った意味で筆舌に尽くしがたいものがありました。

驚くほど“いい子”だった

ところが、そんな大変な思いをしたというのに、子どもたちのことを話してくれたおとなたちは口々にこう言いました。

「震災の後、子どもたちはほんとうに驚くほど静かで、“いい子”でした」(続く…

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Posted by 木附千晶