国連傍聴ツアーに行ってきました!(3/6)
それからもうひとつ、委員の方々に大きなインパクトを与えたものがあります。
本審査前日の26日に行われた「子どもの声を国連に届けるプロジェクト」(「届ける会」)の8人の子どもたちが行ったプレゼンテーションです。
国連にインパクトを与えた子どもたちのプレゼン
実は今回、子どものプレゼンテーションの日時や場所も、同席できるおとなの人数も、本審査同様、最後まで確定しませんでした。
しかし、傍聴ツアー出発直前になって「本当にプレゼンテーションができるのか?」というような情報がもれ聞こえる中、子どもたちはただ黙々と、プレゼンに向けての準備をしていました。
前回からの恒例である「恐怖の直前英語合宿」は、出発二日前から成田空港近く(ということは、周囲には何もないような場所)の素泊まり宿で夜を徹して行われました。聞こえるのは念仏のような仲間が発する英語だけ。ある子ども曰く「あまりにも英語ばっかり繰り返していたので日本語までろれつが回らなくなった」というほどです。
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中には、合宿中にもまだプレゼンの内容を書き直している子もいました。
「自分が何を言いたいのか」
「ひとり2分、しかも英語で伝えなければならないというプレゼンの中で、何を最優先に伝えるべきか」
「そのために、落としてはいけない部分はどこで、削れるのはどこなのか」
みんな最後まで、迷いに迷っていたのです。
「ひとりぼっちにしないで!」
そんな子どもたちがたどり着いたメッセージをひとことで言い表すなら、「ひとりぼっちにしないで!」でした。
ある子は両親に、ある子は教師(学校)に、またある子は人との関係性を奪う競争的な社会と制度を肯定しているあらゆるおとなに、というように、対象はそれぞれでしたが、プレゼンを貫くメッセージは同じでした。
8人のメッセージ
たとえばAさんは、満たされない寂しさを「おとなたちの頭に浮かんでいる『正解』を必死で探すことで自分は必要とされ身は増されることもないと思い込んだ。
顔や性格を変えないと、自分の存在価値がなくなる。助けて欲しいときにはだれも助けてくれず、その場にひつようとされる人にならないとだれからも振り向いてもらえない。それって苦しすぎる」と表現しました。
Bさんは「(いじめや学校での生きづらさから不登校になった子を)先生たちは『逃げている』『負け犬』『みんな頑張っているのにお前だけだ』と責め、最後は見捨てる。こんな世の中は生きづらいしおかしいと思いませんか? 私たちの声を聞いてください。私たちは頑張っているし、逃げているわけじゃありません」と叫びました。
また、Cさんは、頑張っている自分を認めてくれず「怠けている」という母に対し、「まず最初に話を聞いて欲しいと、必死に訴えました。でも、『子どものくせに生意気な』『子どもの言うことに説得力はない』と押さえ込まれ、結局、母からの一方的なコミュニケーションになってしまい、まったく相手にされませんでした」と述べ、また違う子は「学校での話し合いはおとなに合わせていくことを覚える場だった」と、「もっとしっかり向き合い、対話して欲しい」と訴えました。(続く…)
※写真はジュネーブにあるレマン湖の名所・大噴水