新政権によって子ども施策はどう変わる(5/5)

2019年5月29日

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今、子ども手当の財源を捻出するためとして、「公的な福祉に使われてきたお金が削られる」可能性はとても高くなっています。
昨年末に話題になった事業仕分けでも、「子ども夢基金」など子どもの福祉に使われてきた財源が削られました。
実際、長妻昭厚生労働大臣は「保育サービスの充実など子育て支援策にあてる『安心子ども基金』を活用し、児童福祉施設の子どもにも子ども手当が行き渡る措置を検討している」(『朝日新聞』2010年2月4日)と語っています。

結果的に格差を広げることに

今まで、子育てや保育、教育など子どもの育ちにかかわる部分に回されてきたお金が削られ、子ども手当に回されるようになればどうなるか・・・。
まず、子育てや福祉を担う場所で働くおとなの雇用条件が悪化します。そして、福祉というものが「だれもが平等に受けられるもの」ではなく、「個人の経済状態に合わせて購入するもの」へと変わって行きます。
知人の教育研究者は「NHKラジオ(2010年1月7日)に出演した千石由人国家戦略担当相が『子ども手当を配るのだから、各家庭は公的保育に依存しないで、この手当を財源に出資しあってNPOや株式会社と協力して学校の空き教室などで保育をやりくりして欲しい』と述べていた」と言い、「これでは親の財力や行動力によって子どもが受けられる福祉の質に格差が生じることになり、結果的に教育格差、生活格差は拡大する」と心配しています。
何しろ民間調査会社のリサーチ(『東京新聞』2009年11月13日)でも、年収1千万円~500万円の以上の世帯の約七割は子ども手当を「教育費に使う」としていますが、300万円~500万円未満の4割は、「家族の生活費に使う」と答えています。

築きにくくなる愛着関係

このような子ども施策は、子どもが成長していくために無くてはならないおとなとの愛着関係を今よりもいっそう築きにくくします。
子どもたちは「だれにも頼らず、早くおとなになって自分のすべてを自分でまかなう人間になるよう」せかされ、追い込まれていきます。そうして否応なしに死ぬまで続く競争・評価レースに参加させられるか、“負け組”であることをいち早く自覚して、敗者の人生に甘んじるよう教え込まれていきます。
知人の教育研究者は言います。
「谷底に子どもを投げ込んで『自ら這い上がってこい』と言ったのが小泉改革だったとしたら、谷底に子ども手当というロープを施したのが鳩山流友愛政治。実際に這い上がれるのはほんの数パーセントに過ぎず、ロープを握った多くの子どもは『自分は谷底で生き続けるしかない』ことを深く自覚させられていく」

子どもたちが求めているのは

子どもたちが求めているのは、月々2万6000円で購入できるサービスなどではありません。自分のいたらなさや情けなさまでもすべて受け容れてくれる安心できるおとな。傷ついたときにはいつでも戻っていける安全な場所。
子どもにそんな関係性を提供できる、自らも幸せに生きているおとなたちの存在なのです。

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