「人と生きる」ことを学ぶ学校(7/7)

2019年5月29日

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杉並区の住民や教師たちに話を聞くと、「立場を悪くするので表だった発言は控えたい」と言う人々から驚くような“オフレコ”の話が飛び出します。
マスコミや教育行政も絶賛する「夜スペシャル」についても、何人もの人から次のような話を聞きました。

「最初の募集では『夜スペ』希望者はゼロ。何度か募集をかけ、部活の顧問の口利きである特定の部活の子どもに声をかけ、どうにか人数を確保したが、そのうち成績の振るわない三名に申し込み取り下げさせた」

「和田中の多くの教師は『夜スペ』に反対している。藤原氏は職員会議で一方的に意見を述べ、何でも独断。反論しても言い負かされるから教師は疲弊し、『早く異動したい』と言う教師が多い」

また、不登校の子どもへの対応については、

「和田中は他の学校よりも不登校の子を適応教室に送る時期が早い。中には入学後すぐのケースもある」

など、学力向上に貢献できないこどもを切り捨てているのではないかと思わせる話も耳にしました。

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悲痛な内部告発の手紙

つい先月には、和田中の保護者が区内すべての中学校PTA会長にあてた告発文ともいえる手紙の存在も明らかになりました。
助けてほしいです!! 和田中はおかしくなっています!!」と書かれたその手紙は、感情的な個人攻撃の部分もありますが、思い詰めた保護者の気持ちが伝わってきます。

この手紙が見つかった直後、和田中の前校長は副校長会を通じて手紙を回収しました。手紙を書いた保護者がだれなのかわかっていたはずなのに、警察に名誉毀損の届けを出し、犯人捜しを依頼したということです。

そんな和田中に対する杉並区民の疑問を詳しくお知りになりたい方は、「市民の市民のための市民によるメディアJANJAN」をご一読ください。

「人と生きる」環境を

「『人と生きる』ことを学ぶ学校」の冒頭で紹介した愛知県犬山市の学校と、杉並区和田中はあまりにも違います。

杉並区全体の荒れる子どもたちの様子、そして独裁的な前校長のやり方を聞くにつけ、前校長があちこちのメディアで発言していた「上位の子が伸びると、仲間に教えるようになり、互いに学び会う雰囲気になる」との言葉も疑いたくなります。

「出来る子はその子だけが伸びていって、そうでない子は距離を取って見ているだけという感じ。出来る子に触発されて全体が伸びるというのは難しいのでは?」

そう話す杉並区内の保護者の方が真実に近いのではないでしょうか。

和田中が行っているような“ふきこぼれ(できる子)”と“おちこぼれ(できない子)”を分け、競争教育に荷担するようなやり方では、絶対に子どもが生まれながらに持っている助け合う力を育てることはできません。
他者を「敵」と思わせるような教育では、真に人間の能力を発達させることはできないのです(「人と生きる」ことを学ぶ学校(3)参照)。

子どもたちの今、そして日本社会の未来を本当に憂えるなら、受験競争に備える学力向上ではなく「人と生きる」ことを日々体験し、考える力を育むような環境をこそ、早急に整えるべきです。

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