子どもの「うつ」と「あきらめ」(4/4)
このメールからは、罪悪感や劣等感、自己肯定感の低さ、そしてあきらめなどが見て取れます。
「ほうっておいてくれ」と、助けを求めることもできないくらい絶望し、すべてを「自分のせい」と引き受けてしまっています。
棚上げにされた現実
でも、本当にそうでしょうか?
都市部の教師たちに聞くと「成績がよかったのは塾に通い、テスト慣れした富裕層の子ども」だと言います。
今回の全国学力テスト順位を見ても、生活が厳しく就学援助を受けている世帯が多い沖縄県や北海道、大阪府が下位に来ています。
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教師からは、こんな声も聞きました。
「親世帯が階層化し、考え方や生活条件が違いすぎて連携を取りづらくなっている」(大阪府の中学校教師)
「生活が厳しい家庭の子どもは公立一本でしか受験できない。そういう子どもをどうにかして高校に行かせることで頭がいっぱい。学力テストどころではない」(東京都の中学校教師)
「早寝早起きや朝食などの良い生活習慣と成績の関連性も指摘されたが、いくつもの仕事をかけもちしてどうにか生計を立てている家庭では、気持ちがあっても、とても子どもに手をかけられない」(東京都の小学校教師)
感情を抑圧し、孤独の中で絶望
このような現実を棚上げにされ、「どうせバカだ」「悪いのは私」思わされている子どもたち。そんなところに追いやられている子どもたちが、いきいきとした感情や、人とつながることのあたたかさや生きる希望を感じられるはずがありません。
くやしさ、情けなさ、悲しさ、怒りなどは抑圧され、孤独の中で絶望し、うつ状態に陥っていくのは、当然の帰結ではないでしょうか。
国家予算を77億円も使って、多くの子どもたちを絶望に追い込むテストをするような国に暮らす子どもたちが、夢を持って生きられるはずはないのです。