コロナが子どもにもたらすものは(2)

在宅イライラ

 一斉休校の遅れを取り戻すため、夏休みが短縮された一方、文化祭や体育祭などのイベントはほぼ中止、もしくは省略化されまた。
 毎日にメリハリは無く、楽しみもない。それなのに、「勉強だけはしろ」と言われるのですから、子どもたちが息切れを起こしても不思議はありません。

 親が家にいる時間が増えたことも、良かったのか悪かったのか。「家族団らんが増えた」という声も聞きましたが、そんないい家族ばかりではないでしょう。

 仕事を失って経済的に困窮したり、テレワークで「家が職場」になったため、家族にもその環境に適応するよう強いたり、顔を合わせる時間が増えた分だけ夫婦間、家族間の諍いが増えた家族も少なくはなさそうです。


大学生も大変

遠隔授業

 パソコンとにらめっこの生活が続く、大学生も大変です。

 家に閉じこもってアルバイトにもほとんど行けず、課題をこなす毎日は苦痛以外の何ものでもないでしょう。

 ある大学1年生は、「毎週、何十本もの課題をこなし、レポートに追われる日々。これがあんなにも憧れ、待ち望んでいた大学生活なのかと思うとやりきれない」と話していました。
 
 また別の大学生は「ずーっと家にいてパソコンに向かっているだけだから運動不足でおなかも空かない。1日中ブルーライトを浴びているから夜も眠れない」との嘆きも聞きました。

 極めて不健康な状態です。

子どもは環境に適応しようとする

 しかしそんな大変な状況下でも、子どもはどうにか頑張っておとなに合わせ、環境に適応しようとします。今年の夏頃、友人が「電車の中で見た」と話してくれた印象的なエピソードがあります。

「若い夫婦が小学校低学年くらいの長女とベビーカーに乗った乳児を連れていたが、乳児が泣いたとたん、長女が『泣くならマスクしなよ!』と乳児に注意していた」というのです。

「泣く」という行為は、乳児にとって今できる唯一の意思表明の方法です。
 今できるせいいっぱいのやり方で、「今、自分は何らかの危機的状況を感じている」「不安を取り除いてほしい」と訴えているのです。

 そうした訴えに対し、「まず、規範を守れ! そうしなければ助けてやらない」と、平気で言えてしまう子ども。他者の痛みに共感するのではなく、痛みを出すことにさえ条件を付けようとする子ども。

 ・・・そうした子どもが、いつしか珍しくなくなってしまうのではないかと戦慄を覚えました。

コロナのなかだからこそ

 子どもは密着した関係のなかでしか健康には育ちません。

 他者と距離を取り、顔を隠し、接触を避ける生活が、なるべく触れ合わない、「新しい日常」が、子どもから奪うものはおとなが思っている以上に大きいのではないでしょうか。

 子どもはいい意味でも、悪い意味でも柔軟です。そのことをわたしたちおとながしっかりと自覚し、「コロナのなかで、いかに濃密な関係を築いていくのか」を真剣に考えなければ取り返しがつかないことになりそうです。

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