やり直しのきかない人生などない(2/3)
別猫のように強くなって
彼女が別猫のようになったのは、わが家の縁側で子猫を産み、その子猫たちを無事、里子に出した後。「この家は安全」と安心したのか、少しずつなついてきました。帰宅すると玄関前で迎えてくれるし、私が家にいると中をうかがって鳴いたりします。
当初は庭で外猫として飼うつもりでしたが、北風が吹く季節に寂しそうに窓ガラスからこちらを見つめている姿を見ているととても心が痛みました。
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「ここまでだよ」
そう言い聞かせて玄関先に入れたが最期。いいつの間にか、リビング、こたつ、私の寝室・・・。次々と家の中が、彼女にとって居心地のいい空間に変わっていきました
すっかりわが家の猫となったある日、びっくりするようなことが起きました。あの大猫が家の庭を横切ろうとすると、彼女が毛を逆立てて庭に走り出たのです。
「家に入ってこないでよ!」とばかりに、体を膨らませて声を上げる彼女に、怯えていた頃の姿はみじんも感じられませんでした。
それからというもの、大猫が家の庭を我が物顔で歩くことはなくなりました。どうも彼女に対して一目置いている様子です。何度かケンカもしていますが、お互いの存在を認め合い、「嫌だけど共生する」雰囲気が出来上がったようです。今では、それぞれのテリトリーを意識し合いながら暮らしています。
今では、20キロ以上もの体重差のあるわが家のゴールデン・レトリバーに猫パンチをくらわせたり、うるさいほど鳴いて人間に何かを要求したりしています。
近所に来た工事業者のトラックに乗っかって遊んだり、近所の家の庭に探検にでかけたりなど、好奇心もいっぱいです。(続く…)