子どもの意見を聴くとは(3)
では子どもの権利条約の中でも、最も大切な権利である意見表明権(12条)とはどのような権利なのでしょうか。
ズバリ言うなら、「意見表明権は子どもが自らが身近なおとなに呼びかけ、人間関係をつくる権利」です。
理性的な存在とされるおとなが、自己決定によって主体的に、自律的に物事を判断し、自らの人生を歩んで行きます。しかし、子どもはまだ理性的ではありません。そんな子どもが自己決定をする権利を手に入れても、きちんと使うことはできません。
子ども自ら使える権利(力)としての意見表明権

そう考えれば、12条「意見表明権」の言う、「意見」が、皆の前で演説するとか、議論によって考えを伝えるというようなものではないことは明白です。意見というよりも、子どもが、身近なおとなに向かって出す思いや願い(欲求)と考える方が自然です。
実際、子どもの権利条約の原文でも、子どもの意見はopinionではなくviewsとなっています。つまり、子どもの「見方」「考え方」ということです。これなら、生まれたての赤ちゃんであっても、自ら使うことができます。
重要なのは表明された意見そのものではない

ここで重要なことは、分かるかたちで表明された意見そのものではありません。子どもは、今できる精一杯のやり方で身近なおとなに呼びかけていて、それに対しておとなが顔を向けてくれることを待っているという点なのです。
表明された意見がおとなの目から見たら馬鹿げていたり、無意味に感じたり、とうてい実行不可能なものであったとしても、自分の呼びかけに無条件で応答し、その思いや願いを受け止め、子どもが今抱えている問題・困難を一緒に考えて援助してくれるおとながいるということが、重要なのです。
そんな安全基地となるおとなとの関係性こそ、子どもの権利条約前文が子どもの成長発達権の保障に不可欠だとしている“愛情と幸福と理解のある環境”なのです。









