不思議の国・ニッポン(1)
8月後半から、9月にかけて「子どもの自殺」に関する報道をよく目にしました。
過去にも書いたように、日本は世界でもまれに見る「10代の死因1位が自殺」の国です。コロナの影響もあり、小中高生の自殺も増え続け、24年3月の厚生労働省発表では統計がある1980年以降最多の514人という数字になりました。
子ども自殺が増えるのは8月と9月です(厚生労働省『学生・生徒等の自殺の分析』)。新学期を前にして、心身に不調を来す子どもも増えます。
保護者や教員向けのツールも
そうした子どもへの対応に困った保護者や教員に向け、さまざまなツールも開発されているようです。
そのひとつが、保護者向けにフリースクールなどが開発した「学校休んだほうがいいよチェックリスト」です。子どもが「学校に行きたくない」と言っているときに、本当に休ませた方がいいかどうかの目安がわかるというもの。
リストの利用者は7万5000人を超えたそうですから、いかにとまどう保護者が多いかが分かります(『東京新聞』24年8月30日)。
AIが不登校予測
埼玉県戸田市ではAI(人工知能)で不登校の可能性を予測する実証実験も行われました。
欠席日数や遅刻数、学力調査や健康診断記録、保健室の利用回数、いじめの記録などから、AIがひとり一人の予測結果を数値化するそうです。結果をもとに、教員らが対応に当たるとか。