夢の無い国(4)
今さらの話ですが、日本の子どもの精神的幸福度が低いこと(子どもたちに影響する世界)、そして、10代の自殺率の高さ(『令和5年版自殺対策白書』)はよく知られています。
これに加え、最近では、16~74歳の日本人の幸福度が2011年から2024年の13年間で低下傾向にあるという調査結果も出ています。
世論調査会社イプソスの調査です。
この調査によると、24年の日本の順位はワースト3で、10年間で13%減少。つまり、どんどん「おとなも子どもも幸せを感じ無い国」になっているわけです。
人生をコントロールできない感覚が増す若者たち
興味深いことに、同調査は年配の人たちに比べ若い世代の方が、自分の人生をコントロールできる感覚が少ないと分析しています。
ベビーブーム世代の76%がコントロールできると感じているのに対し、Z世代では65%に減少しているのです。
心の健康についても、同じ傾向があります。ベビーブーム世代の76%、X世代の72%、ミレニアル世代の69%に対し、Z世代の63%しか自分の心の健康に満足していません。
ちなみに、ベビーブーム世代とは1946年~1964年の間に生まれた人たち、X世代は1965年~1980年の間、ミレニアル世代は1981年~1996年の間、Z世代は1997年~2012年の間だそう(ベビーブーマーからZ世代まで:世代別アプリマーケティング)。
まさに修羅の国
「修羅の国」と化したディズニーランドが象徴しているように(同ブログ第一回目参照)、他者を出し抜けるお金とスキルが無ければ生きていけない日本で生き残るため、「ああしたほうがよい」「こうしなければならない」と子どもをいじくり回すおとなたち。そのあげくに、子どもから当事者性も人生のコントール感も奪い、夢を取り上げていくおとなたち。
「金がすべて!」の社会をつくり、そこに適応することだけを強いるおとなたちが、夢の無い子どもを育てているのです。
まさにここは修羅の国と言ってよいかもしれません。