大谷選手の元通訳の事件に思う(1)

ここのところ「依存症」に関するニュースが目につきます。

やはり、だれもが知る大谷翔平選手の元通訳・水原一平さんによるスポーツ賭博事件の影響が大きいのでしょう。水原さんが大谷選手の銀行口座から無断で1600万ドル(約24億円)以上を送金していたことが発覚し、解雇されたニュースはかなりの衝撃でした。

スーパースターである大谷選手とタッグを組み、公私にわたって支えてきた水原さん。事件が発覚する前は、マスコミをはじめ、世論は水原さんにも非常に好意的でした。
大谷選手とまるで“セット”であるかのように、その仲の良さに感心し、大谷選手同様、水原さんの人柄の良さやを並べ立て、ことあるごとに賞賛していました。


評判は暴落

ところが、解雇以来、その評判は暴落。

「ずっと裏切っていたなんてひどい」
「大谷選手がかわいそう」

など、大谷選手への同情の声はもとより、水原さんの学歴詐称疑惑をはじめ、あること無いことを面白おかしくかき立てるメディアも現れました。

それまでさんざん持ち上げておきながら、何か一つでも失敗すると徹底的に攻撃する。――今回に始まったことではありませんが、その手の平の返しようは、「見事」と言うしかありません。

『中日スポーツ』の記事

こうしたメディアの問題については、もやもやと思うところがあります。が、今回の事件で私が最も気になったのは、「長年、信頼関係を紡いできた同志を裏切り、裏切られたふたりの心中」でした。

それは、韓国で行われていたMLB公式戦の開幕第2戦の夜(3月21日)の出来事として、こんな記事を目にしたからです。

「ドジャースのクラブハウスで『自分はギャンブル依存症だ。多額の借金を大谷翔平に肩代わりしてもらった』と説明。だがその深夜にホテルで大谷から問い詰められ、スーパースターの銀行口座から巨額の金を盗んだと白状したという。
13日の米紙ニューヨーク・タイムズによれば、その場面で同容疑者は『クラブハウスで話したように、翔平が僕の借金を肩代わりしたことにしてくれないか?』と頼み込んだという。だが、大谷はこれを拒否し、即バレロ代理人に連絡を取ったという」(『中日スポーツ』(24年4月14日)

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Posted by 木附千晶