推し活依存症(1)
新宿歌舞伎町にあるTOHOシネマズ横の通路、そこに集まる若者たちのコミュニティというかエリアである、あのトー横です。
ここのところ一斉摘発やら、ホストクラブの取り締まり強化があり、通常よりかなり閑散としていると聞きましたが、私が行った日もちょっとしたバザー並みには人が集まっていました。
ぱっと見は高校生くらいな男女が数人ずつのかたまりで、あちこちに座り込んでは、飲んだり、食べたり、しゃべったり。そして、すぐ側にある都立大久保病院周辺にはいわゆる「たちんぼ」と思われる女子の姿も・・・。
あまりにもフツーな女の子
驚いたのは、「たちんぼ」の子たちのあまりにもフツーな姿です。
水商売ぽい華やかさとか、きらびやかさとか、ケバさ、といったものはまったくありません。スマホをいじりながら立つ姿は、本当に「どこにでもいる高校生や大学生」。まるで待ち合わせの友達を待っているようです。
今朝、電車で隣に座った女の子と何一つ変わったところはありません。どこかで出会っても、一斉逮捕の危険性と隣り合わせの生活をしているとは夢にも思わないでしょう。
そうした若者たちの周辺を警察官やガードマン風のいかつい制服男性が巡回していました。
売り手と買い手が逆転
私が知っている歌舞伎町は、「女性がサービスし、男性が買いに行く」場所でした。ところがそれが完全に逆転していました。ビルの壁面や看板には、着飾ったイケメンたちが満面の笑みを浮かべています。
推し活や悪徳ホスト(クラブ)のニュースを聞いてはいましたが、「なるほど、こういうことか」とリアルに実感しました。
生活に困窮する元ホストたち
ところで、先日、トー横に行ったのは、そこから遠くない福祉施設を訪れた帰りでした。さまざまな事情で生活が立ち行かなくなった人々が入所している、その福祉施設の職員さんから、こんな話を聞いたことがきっかけでした。
「場所柄なのか、若い男の子の入所者が増えています。地方から有名ホストに憧れ『一旗揚げてやろう!」と勇んで上京したものの、鳴かず飛ばず。 店を追い出され、帰ることもできなくなった子たちです。 今の歌舞伎町はホストクラブだらけ。トー横にはホストを推す資金が必要な子たちが集まってきます」