日本礼賛と金メッキ(4/7)

2019年5月29日

このシリーズの最初の記事へ それにしてもなぜ、こうした「白黒思考」になってしまうのでしょうか。身も蓋もない誤解を呼びそうな表現ですが、一言にまとめれば「そのほうが楽だから」でしょう。

私自身そうですが、人は易きに流れます。
「グレーゾーンに立つ」ということは、「宙ぶらりんのままでいる」ということです。これはなかなか居心地が悪い状態です。この世に存在するあらゆるものは安定を求めます。「どうにかして早く安定感のある場所に落ち着きたい」と思います。

そのうえ今の社会は人を急がせます。「少しでも早く」「できるだけ最短」で、「結果を出す」ことが求められます。
迷ったり、戻ったり、「間違えたかな」と立ち止まることは、「よし」とされません。

悩む必要を感じない?

幼い頃からおとなに干渉され、社会の「こうあるべき」を教え込まれ、「正しい」道筋だけを教え込まれてきた場合、葛藤したり試行錯誤したりという経験を持ちません。
そんなふうに育てられた人が、壁にぶつかったり、過ちを犯しながらも、自分の頭で考えたり、答えを探すということに価値を見いだせなかったとしても不思議ではないでしょう。

今どきネットで引けばたいていの答えはすぐに見つかります。悩む必要を感じない人も増えて当然でしょう。

多くの場合、人は慣れ親しんだやり方を選ぶものです。それが「良い」か「悪い」かはべつにして、親和性のあるものは人を安心させます。「今まで通り」である方が新しい方法を試すよりも落ち着きます。
暴力を受けて育った人が暴力をふるうパートナーを選んでしまうように。

しんどい作業

宙ぶらりんの状態を続けながら現実を見つめ、「自分だけの答え」を探し続けることは、けっこうしんどい作業です。
「どうして愛する親が自分を殴るのか」、「『お前のため』と言いながら、なぜ自分の尊厳を踏みにじるのか」、「『命は平等』と良いながら、どうして能力で優越をつけられるのか」、「『平和を追求する』と良いながら、武器を買ったり軍隊を増強したりするのはなぜなのか」・・・。

世の中は矛盾だらけです。そんな世の中を直視し悩みながら、自分の立ち位置を決めることは、そう簡単ではありません。(続く…

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