猫ブームとはなんぞや(7/8)
・・・と、だいぶ本題から脱線してしまいましたが、ここで本題に戻しましょう。
「いったいなぜ、今、猫ブームなのか?」です。
猫は自己を“投影”しやすい
ブログの前半で述べたように、「猫」と言っても性格はさまざま。「猫だから気ままで自由」と、一概に言ってしまうことはできないような気もしますが、確かに一般的に、犬に比べて猫の方がマイペースで、何を考えているのか推測しにく、喜怒哀楽が分かりにくいという傾向はあると思います。
そんな猫は、おそらく人間にとって「とても自己を“投影”しやすい動物」なのではないでしょうか。
“投影”とは?
“投影”とは、心理学の世界でもよく用いる言葉です。
私たちに人間は、他者を見て「きっとこんなふうに感じているはずだ」とか「きっとこう思っていいるだろう」と考えたりします。
ごく簡単に言うと、自分の枠組みで物事を見て、自分の思うように外界を色づけしてしまいがちなのです。
本来は、他者が何を感じて、どう思っているかは当人に聞いてみなければ分からないはずなのに、「きっとこうに違いない」と思ってしまったりします。それは私たちが、自分の感情や思い・・・つまり、自分の心を自分の外へと映し出し(“投影”し)ているからです。
確かに閉塞的な世の中の鏡
だから、たとえば「のんびりしたいなぁ」と思っている人が日向ぼっこしながら昼寝している猫を見ると「のんきにしているなぁ」と考えたり、「自由でありたい」と願っている人がマイペースな猫に出会うと「空気を読まずに堂々と振る舞うやつだな」と感じたりするのです。
そのように考えると、確かに猫ブームは閉塞的な世の中を映し出す鏡になっているのかもしれません。「自分は自由でありたい」と、自分自身のこととしては考えず、他者(猫)を通して、無意識の思い映し出しているわけですから。(続く…)