地域の再生と地域猫(3/8)
捜索開始
隣の飲み屋さんや、道を挟んだ隣の八百屋さん、向かいの割烹料理屋さんや数件先の居酒屋さんなどと声をかけあい、それぞれの店に来るお客さんにも聞いてみたりしながら、ミーちゃん探しが始まりました。
まずは自治体の動物保護しているセンター(昔でいう保健所)や、警察などに連絡。ミーちゃんらしき猫が保護されていないか確認しました。次に迷子のポスターをつくることにしました。実は私も、このポスターづくりを手伝いました。
ところが、困ったことに肝心のミーちゃんの写真がありません。みんな「前の携帯電話に保存していた」とか「昔のパソコンに取り込んでいた」などと言い、今は持っていないというのです。
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しょうがないので、パソコンでイラストの素材集から猫の絵を取り込み、似た模様に色づけをしてポスターをつくりました。そして迷子の呼びかけと一緒に「写真を持っている方はご連絡ください」と、美容院の電話番号を書き込みました。
ちなみに、イラスト素材を提供してくれたのは、このブログを管理してくださっているIFFの方です。
すごい反響
ポスターを貼ったところ、すごい反響がありました。
それまで、まったくあいさつもしたことがなかった通行人の人たちまでが、ポスターに足を止め、ときに涙ぐみながら美容院を訪れてはミーちゃんの行方を尋ねるようになりました。
それはもう驚くくらいたくさんの人たちでした。毎朝、駅に行く途中にご飯をあげていたOLさん姉妹、近所の歯医者さんやそこに勤める衛生士さん、買い物で通っていた主婦の方、人工透析を受けに病院に行く道すがらミーちゃんになぐさめられていたご夫婦、幼稚園の行き帰りに通っていた親子、駅を利用している高校生や商店街を通学路にしていた小学生・・・などなど、挙げればキリがありません。
そして毎日5〜6人の人が、美容院の周辺でミーちゃんにご飯をあげていたことが分かりました。
実はミーちゃんが避妊手術をしていたことも、このときに分かったのです。
なんと、裏通りにある金物屋さんがやってくれていました。そのうえ金物屋さんは、かつてミーちゃんが産んだ子猫たちを全員、育てていました。全部で7匹にもなります。
本当はミーちゃんも飼い猫にしようと思ったそうなのですが、何度、家に連れ帰ってもまた商店街に戻って行ってしまったとのこと。
「でも、商店街の人に首輪もつけてもらってみんなにかわいがられているから」と、毎日ご飯だけをあげに来ていたことが分かりました。(続く…)